
キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
オンライン説明会の予約受付中!
今すぐ日程を見る
社会の不確実性が増大する中、職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門家として2016年に生まれた国家資格、キャリアコンサルタント。
一方で、キャリアコンサルタントの資格について「資格を取って本当に役立つの?」「お金や時間ばっかりかかるんじゃない?」と質問いただくことがあります。
今回は、キャリアコンサルタントがなぜ「役に立たない」と言われるのかを考えつつ、キャリアコンサルタント資格の価値とその可能性について解説します。
本記事を読むと、あなたにとってキャリアコンサルタント資格の取得は必要かどうか検討するためのヒントを得られるでしょう。
なぜ「キャリアコンサルタント資格は役に立たない」と言われるのか?
働く人のキャリア自律を支援し、その能力を発揮できる社会の実現に寄与するはずのキャリアコンサルタントが「役に立たない」と言われるのはなぜか。
4つの視点から考えました。
資格取得までにかかるコストが高い?
まず1つ目に、キャリアコンサルタントの資格を取得するまでに要する時間と費用が、資格取得後の活動と見合わないのではないか?が挙げられます。
下の図は、受講から試験までのスケジュール例です。
キャリアコンサルタント養成講習は、150時間以上のカリキュラムを実施することが義務付けられており、約3ヶ月から5ヶ月かけて受講を完了します。その後国家試験の受験、合格発表と続きます。
キャリアコンサルタント登録証が手元に届くまでの期間の目安は、3ヶ月コースなら10ヶ月前後、5ヶ月コースなら1年前後です。
つまり、キャリアコンサルタント養成講習の受講から国家資格の取得までの期間は、1年前後かかるのが一般的です。
続いて、養成講習の受講から資格取得までにかかる費用についてまとめました。
キャリアコンサルタント資格取得までにかかる費用
内容と費用 |
---|
①キャリアコンサルタント養成講習 約25万円から約44万円(税込) |
②キャリアコンサルタント試験 学科 8,900円(税込) |
③キャリアコンサルタント登録免許税 9,000円(非課税) |
④キャリアコンサルタント登録手数料 8,000円(非課税) |
資格取得までの合計 約30.5万円から約49.5万円 |
※養成講習によっては別途入会金が必要な団体もあります。また、上記には試験対策講座や実力診断試験などの費用は含まれません。
キャリアコンサルタント資格取得までの初期費用は、総額で約30.5万円から49.5万円の費用がかかります。
もし、専門実践教育訓練給付制度を使って、表①の養成講習の受講料に対して最大80%の支給を受けられれば、合計約10万円から15万円程度の費用で済む場合もあります。
▼関連ページ
専門実践教育訓練給付金の利用について
出典
キャリアコンサルティング協議会 国家資格 キャリアコンサルタント試験「受験資格」
日本キャリア開発協会 国家資格キャリアコンサルタント試験「試験要項」
国家資格キャリアコンサルタントWebサイト 登録センター「キャリアコンサルタント試験に合格された方の登録申請」
厚生労働省 キャリアコンサルタント講習検索サイト「講習検索」
実務での活用機会がない?
せっかくキャリアコンサルタント資格を取得したものの、資格の活用機会がないケースもあります。
2022年のアンケート調査結果を元にした労働政策研究報告書No.227によると、キャリアコンサルタント資格を保持する調査回答者の29.7%は、キャリアコンサルティングの関連活動をしていないとしています。
活動をしていない理由としては、「キャリアコンサルティングとは関係のない組織、部署等に所属している」が約5割と最も多く、次いで「周囲にキャリアコンサルティングの仕事(ニーズ)がない」(約3.5割)、「他の仕事などで忙しく、自分自身に時間的余裕がない」(約2割)が続いています。上位2つについては、まさに実務での活用機会がないという理由で、自分の力での解決は困難なことが伺えます。
キャリアコンサルタント資格を実務で活用するには、企業にお勤めの場合は資格取得後にキャリア支援関連の部署やプロジェクトで活動できることが大きな要因になります。 未経験からキャリア支援業務に就きたい方は、資格取得後すぐに相談が舞い込むことはないため、就職・転職活動をあらかじめ想定しておくとよいでしょう。
出典
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227『第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査』」
他の資格と比べて認知度が低い?
2023年に、キャリアコンサルティング協議会が民間企業で働く正社員男女向けに行った調査によると「キャリアコンサルタントという仕事を知っていますか?」という質問に対し、回答者の65.4%が「知らない」、27.4%が「知っている(仕事内容はよくわからない)」と回答しています。合わせて90%弱の方がキャリアコンサルタントという仕事を知らない、あるいは名前は知っているが仕事はよくわからないという結果です。
キャリアコンサルタント国家資格化以降、認知度は徐々に向上していると思われますが、まだまだ十分とは言えない状況が伺えます。
出典:キャリアコンサルティング協議会「相談するということ 2023年8月」
資格維持にかかるコストのリアル
キャリアコンサルタントの資格を取得した後も、一定の学習時間と費用がかかります。
キャリアコンサルタントの資格登録を継続するためには、5年ごとに更新申請を行う必要があります。更新申請を行うには、知識講習と技能講習の受講が必要です*。なぜ講習の受講が必要なのかと言えば、クライアントの相談が多様化している中、ニーズに応えられるに相応しい知識と技能を維持・向上するためです。
*技能検定キャリアコンサルティング職種(1級・2級)に合格した場合や1級技能士所持者には全部または一部の講習が免除される特例もあります。
以下に、資格更新時の学習時間と費用をまとめました。
キャリアコンサルタントの資格取得後、資格の維持や更新にかかる費用を一覧にまとめました。
内容と費用 |
---|
更新講習(知識講習) 学習時間8時間以上 |
更新講習(技能講習) 学習時間30時間以上 |
更新手数料 8,000円(非課税) |
資格更新時の合計(例) 学習時間38時間以上 |
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタントとして活動している方へ」、厚生労働省「キャリアコンサルタント講習検索サイト」
それでもキャリアコンサルタント資格を取るべき理由とは?
前項を読んで、やはりキャリアコンサルタント資格をとっても「役に立たない」と思われた方も多いかもしれません。
現在の資格者数は約80,000人。
「相談者のキャリア支援をするための知識・技能を習得したい」目的で、資格取得を目指している方がほとんどです。
ここではキャリア支援の専門知識や技能が、相談者を支援するうえでどのように役に立つのかをご説明します。
専門性を求められるケースが増えている現状
近年、企業や組織でキャリア支援の重要性が高まり、専門家であるキャリアコンサルタントの需要が増えています。
個人の価値観やキャリア観が多様化する中で、的確なアドバイスやサポートを提供できる専門家の存在は必要不可欠です。
キャリアコンサルタントは、以下の専門知識を学んでいます。
・キャリアに関する理論 ・カウンセリングに関する理論
・職業能力の開発(リカレント教育を含む)の知識
・企業におけるキャリア形成支援の知識
・労働市場の知識
・労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
・学校教育制度及びキャリア教育の知識
・メンタルヘルスの知識
・中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
・人生の転機の知識 ・個人の多様な特性の知識
例えば、働く個人が転職する場合、キャリアの専門家視点でのアドバイスは重要です。自分のスキルや経験を整理し、今後の方向性を明確にしていくにあたっては、キャリアコンサルタントが自己理解を手助けします。
生き方・働き方が多様化する中で、漠然と現状に不満や不安を抱えている人の問題や課題を洗い出すのに、専門的視点からアドバイスできます。
「あの人と同じように生きていたら幸せになる」というような正解がない今、よりよいキャリアを一緒に悩み、考え、ときに背中を押すのがキャリアコンサルタントです。
キャリア相談における「信頼性」の強化
キャリアコンサルタントには、「職業人生」という重大な問題に悩む人が相談に訪れます。
これまで誰にも話さなかったような人生の悩みを打ち明けるため、勇気を出して訪れるという方も少なくないでしょう。相談者が、安心かつ信頼して自身の人生の悩みを話せる場づくりは重要です。
キャリアコンサルタントは、以下の専門技能を学び続けています。
■基本的な技能
・カウンセリングの技能
・グループアプローチの技能
・キャリアシートの作成指導及び活用の技能
・相談過程全体の進行の管理に関する技能
■相談過程において必要な技能
・相談場面の設定
・自己理解の支援
・仕事の理解の支援
・自己啓発の支援
・意思決定の支援
・方策の実行の支援
・新たな仕事への適応の支援
・相談過程の総括
キャリアコンサルタントは「対人支援」の専門職として、専門的知識やスキルを必要とするだけでなく、「個人の人生設計に関わること」の責任と重要性を従前にも増して自覚し、一層高い倫理観を持って活動することが求められ、学び続けます。
出典
厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」
厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」
これらの知識や技能は、キャリアコンサルタント養成講習で身につけることができます。
日常生活の中でコミュニケーションスキルを学ぶのはなかなか困難ですが、キャリアコンサルタントの資格取得に向けた勉強は、コミュニケーションスキルを磨く貴重なチャンスともいえます。
GCDF(キャリアコンサルタント養成講習)の受講者からは「カウンセリング技法やキャリア理論が日ごろのビジネス場面で生きており、コミュニケーションの仕方や人材育成の捉え方が変わってきたように思う」「学んだことは面接の場面、従業員との面談、マネジメントなどあらゆる日常の中で活かせることが分かった」「日常のコミュニケーションをより円滑にする上でも実践できると思えたので非常に有意義だった」という感想もいただいています。
対話力・人材マネジメント力のスキルアップ
社会経済環境の変化に伴って、働く人を取り巻く状況もキャリア相談も変化し続けています。
例えば、HRM(Human Resource Management)と呼ばれる人的資源管理、人材マネジメントに関する知識も、キャリア形成に取り組む人を支援するのに必要不可欠なものです。
キャリアコンサルタントの資格更新要件に、知識・技能に関する講習を受講修了することが定められています。
資格者であれば、どれだけ多忙であっても定期的に学び、スキルアップする機会があるため、ひいては支援の質を維持できる仕組みになっています。
キャリアコンサルタントが語る“資格の価値”を実感した出来事
キャリアコンサルタントは、日々さまざまな現場で活動しながら、やっていてよかったというやりがいや充実感を味わえる出来事に出くわしています。
ここでは筆者が、1対1のキャリア支援現場で経験し、キャリアコンサルタントをやっていてよかったと思えた印象的な出来事*を一部ご紹介したいと思います。
*内容は個人が特定できないように、一部編集しています。
相談者が未来への一歩を踏み出した瞬間
学業やアルバイトで少なからず成功体験があったにもかかわらず、就職活動がうまく行かずに悩んでいた相談者。
他人に悩みを相談しに来るだけでも、勇気を振り絞っている様子で、最初は話すことさえも嫌そうでした。しかし、相談を通じて自分自身と対峙し、葛藤した結果「俺、やっぱり人と接する仕事が諦められないです。やれるって自信があるので、あきらめずに応募してみます!」自分の価値観を自分の言葉にし、自分を奮い立たせているように見えました。
目標に向けて努力する相談者の成長プロセスを伴走できることは、この仕事の醍醐味であると思っています。
企業内で社員のモチベーション向上に貢献できた瞬間
キャリアコンサルタント資格の保持を公表したことをきっかけに、社員から相談を受けたこともあります。
その男性社員は他のプロジェクトメンバーとの関係がうまくいかず、相談場所もなく、自分だけで悩みを抱えて心がパンクしそうな状態でした。普段物静かでニコニコしているような彼から出た「まじで許せないっす」という言葉の重み。ときに怒りに苛まれながら、涙を拭いながら話していました。
相談を受けたときは絶望感に苛まれているようでしたが、1ヶ月後に会ってみたら、スカッとした表情でいつもの元気を取り戻されているようでした。少し恥ずかしげに「こないだはどうも~」なんて言われた日には、ああよかったとホッとしたものです。
体調を回復した相談者が再会しにきた瞬間
就職したくて相談に来たものの、自信がなくうつむいていて、グループワークをしても発言しない女性がいました。就職したいのは自分の意志ではなさそうな、そんな雰囲気もありました。一方で、どうにかこの状況を変えたいという漠然とした希望も見え隠れしていました。
何度か話をするうちに、就職活動は母親の希望によるもので、自分は体調をまず直したいんだと言葉にしました。まずは母親に理解を求め、医療機関にかかりたいと一時就職活動を休止しました。
それから数か月後。
「元気になって、就職先も決まりました!」と事務所まで報告に来てくれました。初めて会ったときとは別人のように晴れやかな顔つきで、イキイキと話しているその姿。苦しんでいた数ヶ月を見ていただけに、その成長にこちらが涙をもらいそうになりました。
相談者の人生を応援しようと心から思える瞬間
就職したい、転職したいと決断して相談に来る方の多くは、挑戦のための覚悟をしてきています。
目標を実現するためには変化することをいとわない、自分らしい人生を切り開くために挑戦を続ける覚悟です。
「まずは勇気を持って相談にきました」「自信はないけれど、まずは応募してみます!」恥ずかしさや葛藤を受け入れ、変わっていく姿を見て応援せずにはいられません。
支援者としては、その人が本来もっている力を大いに発揮して、仕事が見つけられるように伴走したいと思えてきます。
さまざまな場所で支援活動を続ける資格者と励まし合う瞬間
キャリア支援活動は、細やかな問題解決とは違い、すんなりスムーズに進むとはいかないものです。
支援している間でも、もっと話を聞けばよかった、違うスタンスで話せばよかったなどと、葛藤は尽きません。上級者によるスーパービジョンを受けるのも一つの策にありますが、他の資格者と話をしながら気づきをいただける瞬間も尊いものです。
こういう支援の仕方もあったのか、一概に関わり方を間違えていたわけじゃないな、あの領域のこういったところを参考にしたいななど、新たな発見があります。
資格者がお互いに勇気づけられながら、また明日からの支援活動に向かっています。
キャリアコンサルタント資格取得は役に立たない?のまとめ
- 経済的リターン、活用機会など、まだまだ課題があることは事実
- 資格取得時に、相談者のキャリア支援に必須の知識・技能を習得できる
- 自分らしく働き、生きたい人の❝伴走者❞として成長を見届けられる仕事である