キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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キャリアについて専門家に相談したいと思った時、キャリアコンサルティングとコーチングのどちらを受けるべきか迷ったことがある人もいるのではないでしょうか。
または、対人支援について学びたいと思った時、キャリアコンサルティングとコーチングのどちらが良いのか悩む人もいるでしょう。
今回は、キャリアコンサルティングとコーチングの違いと特長、活かし方について、キャリアコンサルタントの視点から解説します。
この記事を読むと、キャリアコンサルティング、コーチングを受けたい場合も学びたい場合も、今の自分にとって必要なアプローチがわかるようになるでしょう。
キャリアコンサルティングとコーチング
キャリアコンサルティングとコーチングの定義、活用場面について説明します。
キャリアコンサルティングとは
キャリアコンサルティングは、厚生労働省のサイトで以下のように説明されています。
例えば、以下のような時にキャリアコンサルティングが有効です。
- 在職中の方が、今後のキャリアについてどのようにスキルアップしていくべきか、何を大切にして働いていくか考える時
- 就職活動中の学生が、自分に向いている仕事や選考で自分をアピールする方法に悩んだ時
- 求職中の方が、自分の経験やスキルを活かす仕事や職探しの軸について迷った時
キャリアコンサルティングを受けることで、自身のスキル、経験、価値観、興味関心などを理解し、自分にとっての理想的なキャリアの選択や能力開発の向上に向けたプランを明確にすることができます。
コーチングとは
コーチングについてはさまざまな定義があります。アメリカで設立されたコーチング業界最大級の非営利団体である国際コーチング連盟(ICF)では、コーチングを以下のように定義しています。
また、以下のような定義もあります。
コーチングの特長は、クライアントのある特定の目標達成を支援する手段として行われる点です。たとえば「セールスの業績を向上させるために」あるいは「リーダーシップスタイルを見直すために」コーチングを利用するということです。
コーチングの活用場面は、ビジネス、医療、教育、スポーツなど多岐にわたります。扱うテーマも、リーダーシップ、キャリアアップ、チームビルディング、モチベーション、コミュニケーション、自己研鑽、健康などさまざまです。
キャリアコンサルティングとコーチングの違い
キャリアコンサルティングもコーチングも、対話を通じてクライアントを支援する点、キャリアコンサルタントやコーチが主体ではなくクライアントが主体となる点、傾聴や質問といった手法を用いる点は共通しています。
ではキャリアコンサルティングとコーチングにはどのような違いがあるのでしょうか。わかりやすく表にまとめてみました。
キャリアコンサルティング | コーチング | |
---|---|---|
定義 | 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと | 思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くこと |
関連資格 | キャリアコンサルタント(国家資格) | 国際コーチング連盟認定資格ほか(民間資格) |
支援内容 | 個人が望む生き方、働き方を明確にし、自ら実現するための支援を行う。 | クライアントが自らの力で目標を達成するための支援を行う。 |
中心となる技法 | カウンセリング技法を使って、悩みや問題を受容、共感しクライアントの自己理解を深める。 | クライアントが自ら考え課題を解決していくために、適切な質問を与える。 |
対象 | 個人 | 個人またはチーム |
対象となるテーマ | キャリア | キャリア、人間関係、健康、自己研鑽など |
クライアントが目指すゴール | 理想的なキャリア選択や能力開発による自己実現 | 目標設定と解決策立案による目標達成 |
支援プロセス | システマティックアプローチ ①人間関係の樹立②問題の評価 ③目標の設定 ④方策の実行 ⑤成果を評価する |
GROWモデル G:Goal(目標) R:Reality Check(現実の確認) O:Options(選択肢) W:Will(意志) |
出典:
小倉広『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』日本経済新聞出版、2021年
コーチ・エィ (著), 鈴木 義幸 (監修)『新版 コーチングの基本』日本実業出版社、2019年
木村周・下村英雄『6訂版キャリアコンサルティング 理論と実際』一般社団法人雇用問題研究会、2022年、p.379
キャリアに関する相談をするなら
キャリアに関する相談は、キャリアコンサルタントにもコーチにもすることが可能です。もし同じ内容の相談をキャリアコンサルタントとコーチにしてみたら、それぞれどのような展開があるでしょうか。具体的な相談内容を例に流れを説明します。
※展開はあくまでも一例です。
キャリアコンサルタントに相談した場合の例
相談内容:今の仕事に悩みがあり、転職を考えている
キャリアコンサルタント・・・CC
クライアント(鈴木さん)・・・鈴木
①人間関係の樹立
CC・・・今日はどんなことを話したいですか?
鈴木・・・今の仕事に悩みがあって、転職を考えているんです
CC・・・仕事の悩みから転職を考えるほどのお気持ちなんですね
鈴木・・・はい。最近は仕事にも集中できなくてモヤモヤしてしまって、成果も出せていないような気がします
CC・・・そうですか。モヤモヤが募って仕事の成果にまで影響が出てきてしまっていると感じられているんですね
鈴木・・・ええ。こんな状態になったのは初めてで、自分でもどうしていいのかわからなくなってしまって
CC・・・初めてのご経験でご自身でも戸惑いや混乱を感じていらっしゃる、、、
鈴木・・・はい。これまで仕事はわりと順調で、もちろん悩むこともありましたけど、転職まで考えたのは初めてですね
CC・・・そうですか。これまでで一番悩みが深い状況なのですね
鈴木・・・これまでが順調だった分、余計に今の状態が辛く感じられるのかもしれません
②問題の評価
CC・・・仕事の悩みとは具体的にどのような内容か教えてもらえますか?
鈴木・・・実は先月管理職に昇進したんですが、うまくやれている気がしないんです
CC・・・うまくやれている気がしない、、、そう感じるのはなぜでしょう?
鈴木・・・部下は自分より年上で経験も豊富な人が多いので、私が指導するっていうよりはわからないことを教えてもらっているような状態です
CC・・・部下に教えてもらっているような状態だから、うまくやれていないように感じるんですね
鈴木・・・はい。管理職なのに部下にわからないことを聞いている自分が情けなくて。いちメンバーだった頃の方が気楽だったと思います。今は役割を果たせていないんじゃないかと。かといって降格を申し出るのも言いづらいし、そうなると転職も考えなきゃいけないのかなって
CC・・・管理職なのに情けないと感じていらっしゃる
鈴木・・・だって、情けなくないですか?管理職っていうのはリーダーシップがあって、部下から何を聞かれても的確に答えられて、部下からも尊敬されるような人がやるものじゃないですか。それなのに自分は部下に助けてもらってばっかりだし
CC・・・鈴木さんの思うあるべき管理職像と、今の自分にギャップを感じていらっしゃるんですね
鈴木・・・ギャップが大きいですね。私の以前の上司がそんな感じだったんです。すごく尊敬していました
CC・・・鈴木さんにとってのロールモデルのような存在でしょうか
鈴木・・・そうですね。憧れの存在というか。自分で話していて思ったんですが、ちょっと理想が高かったかもしれません。
CC・・・理想が高かった?
鈴木・・・その上司と同じようにできるかっていうと、さすがに今すぐは無理だと思います
CC・・・なるほど。上司のようになりたい気持ちはあるけど、すぐには難しいなと思われたんですね
鈴木・・・はい。まだ管理職になって1か月ちょっとしか経っていないんですが、早く結果を出さないとと思っていたかもしれません
CC・・・焦る気持ちが大きかったわけですね
鈴木・・・管理職になれて嬉しかったんです。昔からなんですけど、期待されると頑張りすぎてしまうところがあるんです。それが成果に結びつくこともあったけど、今回みたいに空回りというか、意気込んで肩の力が入りすぎてしまうこともありました
CC・・・そうでしたか。期待に応えたい気持ちから頑張りすぎてしまう傾向があると。なぜそのような気持ちになるんでしょうか?
鈴木・・・うーん、なんでしょう。期待を裏切ってがっかりされたくないのかな。期待に応えられない自分を受け入れられないというか。だから今回も降格とか、転職とか考えちゃったのかもしれませんね
③目標の設定
CC・・・ここまでお話されてみてどんな感じがしましたか
鈴木・・・管理職とはこうあるべきっていう理想像が自分の中に強くあって、そこに早く到達しなきゃダメだって自分を追い込みすぎていたかなと思います。すぐにはうまくいかないのは当たり前ですよね
CC・・・なるほど。高い理想がある分、焦りが強かったということですね。では、どんな状態を目指せたらよいでしょうか?
鈴木・・・今日お話ししてみて、これから管理職として頑張りたいし、今の会社を辞めたいわけでもないことに気づきました。最終的には尊敬する上司みたいになれたらと思いますが、自分らしくというか、焦らずに一歩一歩近づいていきたいです
④方策の実行
CC・・・尊敬する上司像に自分らしく一歩一歩近づいていくという目標を達成するために、具体的にどんな行動が考えられますか?
鈴木・・・まずは尊敬する上司像っていうのをもう少し具体的にしたいですね。漠然と昔の憧れの上司をイメージしていましたが、上司のどんなところが尊敬できたのかもう一度考えてみたいです
CC・・・いいですね。他にはどうでしょう?
鈴木・・・上司と自分ではタイプも違うので、自分の強みを生かすとしたらどんな風に近づいていけるのか考えたいですね
CC・・・自分らしく近づいていくということですね。そのように考えを深めていくにあたって、ハードルに感じることはありますか?
鈴木・・・自分ひとりで考えると煮詰まっちゃうかもしれません。自分の強みもよくわからないですし
CC・・・では次回の相談で、一緒に考えていきましょうか
鈴木・・・それなら心強いです
コーチに相談した場合の例
相談内容:今の仕事に悩みあり、転職を考えている
コーチ・・・CO
クライアント(鈴木さん)・・・ 鈴木
①Goal(目標・欲しい結果)
CO・・・今日はどんなことを話したいですか?
鈴木・・・今の仕事に悩みがあって、転職を考えているんです
CO・・・そうなんですね。もう少し詳しく教えてもらえますか
鈴木・・・はい。実は先月管理職に昇進したんですが、うまくやれている気がしないんです
CO・・・うまくやれている気がしないとは?
鈴木・・・部下は自分より年上で経験も豊富な人が多いので、私が指導するっていうよりはわからないことを教えてもらっているような状態です
CO・・・今はそういう状態なんですね。ではどんな状態になったら理想的だと思いますか?
鈴木・・・うーん、そうですね。管理職に昇進できたことは本当は嬉しかったんです。だから管理職としてちゃんと成果を出して、もっと自信をもって仕事ができたらいいですね
CO・・・理想の状態になっているとイメージした時、どんな映像が浮かんできますか?
鈴木・・・顧客への新しい提案が通って部下と一緒に喜んでいる情景が浮かんできました
CO・・・いいですね。他にはありますか?
鈴木・・・あとは優秀チームとして社内で表彰されて、チームメンバーみんなで表彰のステージに上がっているとか。上司からは任せて安心と思われていて、部下からも頼りにされていたいですね
CO・・・今お話しされていて、鈴木さんの表情がすごく明るくなったなと感じました。そういった理想の状態になれたら、鈴木さんに何をもたらすでしょうか?
鈴木・・・充実感というか、自分の存在意義を実感できて毎日イキイキと働けそうですね
②Reality Check(現実の確認)
CO・・・理想の状態をゴールとした時、現状との間にはどんなギャップがありますか?
鈴木・・・部下からは頼りないと思われていそうです。私自身が探り探りコミュニケーションをとっているような気がします。上司とは最近話があまりできていなくて、期待に応えられているのか不安です
CO・・・では、今までのところでゴールに対して行ったことや、成果を感じられたことはありますか?
鈴木・・・部下の様子を観察して、できるだけ自分から声をかけるようにはしていますかね。成果ってほどではないですが、前よりは報告とか相談は増えたかなと思います
CO・・・いいですね。では、成果を止めているものはありますか?
鈴木・・・うーん、そうですね。上司に対しても部下に対してもですけど、遠慮しているというか弱みを見せたくない自分がいるかもしれません。本当は協力してもらいたいって思っているのに、強がっているのかな
③Options(選択肢)
CO・・・もし、このゴールを達成することへの障害が全く何もないとしたら何をしますか?
鈴木・・・部下ひとりひとりと一度きちんと話をしたいです。まずはお互いを理解するところからですかね
CO・・・いいですね。他にもできることがあるとすれば何でしょう?
鈴木・・・上司とも話をして、自分への期待を改めて理解する。あと今悩んでいることも率直に相談する
CO・・・他にはありますか
鈴木・・・うーん、なんだろう
CO・・・他の人がやっていたことで、鈴木さんも同じことをやったらこの状況でうまくいくかもしれないと思えるようなことは何ですか?
鈴木・・・そうですね、私よりちょっと前に管理職になった同期がいるんですけど、その人は他の部署の管理職ともつながりをもっておくといいよって言ってましたね。まずその同期に相談してみようかな
④Will(意志)
CO・・・鈴木さんをゴールに向かって進み始めさせるために、一番最初にやらなければいけないことは何ですか?
鈴木・・・部下との1on1ミーティングからやってみたいと思います
CO・・・その行動を最後までやり通す確率は、1から10で評価するといくつですか?
鈴木・・・そう言われるとどうだろう、、、8かなあ
CO・・・その評価を10に変えるためには何をする必要がありますか?
鈴木・・・自分の業務がいっぱいいっぱいにならないようにコントロールする必要がありますね。やるべきことの優先順位を整理して、部下との時間を確保したいと思います
CO・・・部下との1on1ミーティングをやり遂げることができたらどうなりそうですか?
鈴木・・・お互いを理解できて信頼関係の基礎が構築できると思います。自分が上司としてできることが明確になって、部下の強みを生かしてどんなチームにしたいかも考えられそうです
参考:NLP-JAPANラーニング・センター「基本的なコーチング「GROWモデル」」
キャリアコンサルティングとコーチング、双方のスキルを持った専門家に相談する方法も
キャリアに関する悩みがある時、キャリアコンサルティングとコーチングの双方のスキルを持った専門家に相談できたら心強いと思う方もいるでしょう。
「キャリアコーチ」や「キャリアコーチング」という言葉もありますが、現状、キャリアコンサルティングとコーチングの双方を満たせるような資格はありません。しかし、双方の資格を持ったダブルライセンスの支援者は存在します。
そのような専門家に相談したら、相談者のタイプや精神状態、相談内容、求めている関わり方や出したい結果に応じて、キャリアコンサルティングとコーチングのアプローチを使い分けたり、またはミックスして支援してくれるでしょう。
キャリアコンサルティングとコーチング双方で活躍している船本潔氏にインタビュー
キャリアカウンセリング協会 認定トレーナーであり、キャリア支援の現場で活躍されている船本潔氏に、キャリアコンサルティングとコーチングについてのお話しを伺いました。
お話を伺ったのは・・・
船本潔氏
キャリアコンサルタント・1級キャリアコンサルティング技能士
GCDF-Japanキャリアカウンセラー
一般社団法人エグゼクティブコーチング協会プロビジネスコーチ
日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー
Q. 船本さんの現在の活動状況を教えてください。
企業の管理職向けに、キャリアコンサルティングとコーチングの技法を使った支援をしています。
業績改善や評価者研修、上司と部下のコミュニケーションなどの研修講師も担っています。管理職がどのような働きかけをすることによって、部下がやる気になるのか?というテーマの仕事が多いです。
Q. 船本さんはキャリアコンサルティングとコーチングの両方のスキルをお持ちとのこと、どのように面談をされていらっしゃるのですか?
私が実施している管理職向け面談を例にお話ししますと、相談者の状態に合わせて、キャリアコンサルティングとコーチングの双方の技法を活かして面談しています。
多くの方は、自信をなくした状態で面談に来られるんですね。
最初はキャリアコンサルティングのやり方で、安心してお話しいただけるように面談を進めます。
話が進み、目標を設定するときにはコーチングのやり方を組み入れます。コーチングでありたい姿の明確化を行い目線が変わり、物事をポジティブに捉えられるようになります。
もちろん、キャリアコンサルティングのやり方で目標設定した場合でも、なりたい自分をかなえられると思います。
Q. なりたい自分がまだ明確になっていない場合でも、コーチングを受けることが可能でしょうか?
できます!目標を見つけるまでの間もコーチが伴走します。ただし、目標達成する意志がない場合の実施はむずかしいです。
Q. お話しを伺っていると、キャリアコンサルティングとコーチング、どちらにもよいところがあり、両方を勉強してもよさそうに思えてきます。
個人的には、キャリアコンサルティングとコーチング、どちらも勉強することをおすすめします。
キャリアコンサルタント養成講習で、相談者が安心・信頼して相談できるようにする力、相談の中に隠れた問題を把握する力を習得することをおすすめします。このスキルは、どのような相談でも通用する基本的な力です。
キャリアコンサルタント向け講習で講師をやっているとき「キャリアコンサルタントの資格で食べていかれるのでしょうか?」と聞かれることがあります。
「仕事があるかどうかはお約束できませんが、キャリアコンサルティングのスキルを身につけることが、人生にとってのプラスになることは間違いないよ」と伝えています。
ポジティブに働きかけるなら、コーチングのスキルを持っておくと効果を発揮しやすいと思います。
Q.キャリアコンサルタンティングとコーチングに興味をお持ちの方へ、ぜひメッセージをお願いします。
時代が変わっていく中で、どのようにして人生を豊かに生きるか。簡単には見つからないですし、どう探したらよいかもわからない。
この1年間で、企業からのキャリア面談依頼が増えています。
国家資格になって8年目のキャリアコンサルタントですが、キャリア支援の必要性を世の中が認め始めたんじゃないかと強く感じますね。
カウンセリングの基礎から歴史的経緯や理論も含めた”ベース”を教えてくれるという意味で、キャリアコンサルタント養成講習「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」は非常によいと思います。まず基礎を身につけるのにおすすめです。
もちろん、コーチングから入ってもよいと思います。「ありたい姿に近づけるようサポートします」という点で、目指すところはキャリアコンサルティングと同じです。
キャリアコンサルティングとコーチングのそれぞれのスキルには、どちらにもいいところがあります。
キャリアコンサルティングで、相手の言葉をひとつひとつ真剣に受け取り、受け取ったことを伝える能力って、日々の生活の中でもすごく大事だと思います。
今、キャリア支援に時代の波が来ていると感じる中では、キャリアコンサルティングのスキルをベースにして、コーチングのスキルをプラスして支援できたら倍の力になる。より活躍できるキャリアコンサルタントになれると捉えて、学んでいくとよいのではないでしょうか。
キャリアの専門家としてキャリア支援を行うには
ここまでの記事を読んで、キャリアの専門家としてキャリア支援を行うことに興味を持った方もいるでしょう。ここからはキャリアの専門家であるキャリアコンサルタントになるための方法について説明します。
キャリアコンサルタント養成講習で基礎を学ぶことが一般的
キャリアコンサルタントになるには、国家資格キャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント資格を取得する必要があります。キャリアコンサルタントの資格取得を目指す方の約9割が、「キャリアコンサルティング養成講習」を受講しています。
キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムでは、知識・技能の両側面からキャリアコンサルティングの基礎を学びます。養成期間は約2ヶ月から6ヶ月で、カリキュラムの総時間数は150時間。そのうちの約半分は理論や知識を学ぶ「講義」、残り半分は面接実技を習得する「演習」です。
キャリアコンサルタント養成講習「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」では、12日間の体験型プログラムにより、キャリア支援に関わる専門家として「現場で今必要とされる幅広い知識と実践的なスキル」を、理解しやすいステップで学ぶことができます。
キャリアコンサルタントと他の資格のダブルライセンスで活躍することも可能
キャリアコンサルタントと他の資格を掛け合わせることで、相乗効果が発揮できたり活躍の場を広げることが可能です。
ダブルライセンスの例としてはコーチング資格の他にも、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、中小企業診断士、税理士、公認心理師、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士などさまざまな資格が考えられます。
たとえば、ファイナンシャルプランナーとのダブルライセンスであれば、マネープランを含めて相談者の理想の人生設計を一緒に考えることができるでしょう。社会保険労務士とのダブルライセンスであれば、人事や労務の専門知識に基づいて会社と労働者の双方の立場から相談や助言ができるでしょう。
キャリアコンサルティングとコーチングについてのまとめ
キャリアコンサルティングとコーチングの違いについてまとめました。
1. キャリアコンサルティングは個人が望む生き方、働き方を明確にし、自ら実現するための支援を行う
2. コーチングはクライアントが自らの力で目標を達成するための支援を行う
3. キャリアコンサルティングではカウンセリング技法を使って、悩みや問題を受容、共感しクライアントの自己理解を深める
4. コーチングではクライアントが自ら考え課題を解決していくために、適切な質問を与える
5 キャリアコンサルタントは国家資格だが、コーチングには国家資格はなく複数の民間資格がある