キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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人事で働きながら更に成長をはかったり、人事への転職を検討していたりする中で、人事関連資格の取得を考える方もいらっしゃると思います。
今回は、人事の仕事に活かせるおすすめの資格をご紹介します。
この記事を読むと、どのような資格を目指すべきか、また資格取得を検討すべきかわかるでしょう。
人事の仕事とは
人事関連の資格を紹介する前に、資格活用の前提になる人事の仕事について触れたいと思います。
職業情報提供サイトjob tagでは、人事事務の仕事について以下のように説明されています。
対人支援スキル向上におすすめの資格3選
人事に不可欠な対人支援のスキル向上を期待できる資格をご紹介します。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う、キャリアコンサルティングを行う専門家の国家資格です。
近年では、企業で活躍するキャリアコンサルタントも増えています。キャリアコンサルタントは、対人支援に加え、労務でも活かせる資格として有用です。
人事におけるキャリアコンサルタント資格の有用性については 田中潤氏インタビューもぜひお読みください。
資格名 | キャリアコンサルタント |
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資格の種類 | 国家資格 |
受験料 | 学科試験8,900円・実技試験29,900円 |
合格率 | 45%から60%(2023年) |
試験日 | 年3回 |
試験団体 | キャリアコンサルティング協議会 日本キャリア開発協会 |
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。
認定開始が1992年と国内の心理学関連資格の中では歴史のあることや、2001年まで公的資格であったことから、知名度の高い資格のうちのひとつです。
資格名 | 産業カウンセラー |
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資格の種類 | 民間資格 |
受験料 | 学科試験11,000円・実技試験22,000円 |
合格率 | 60.2%(2023年6月・7月) |
試験日 | 年2回 |
試験団体 | 日本産業カウンセラー協会 |
出典:産業カウンセラー協会「産業カウンセラー試験」
メンタルヘルス・マネジメント検定
人事担当者にとって、メンタルヘルスに関する正しい知識を持つことは重要です。
メンタルヘルスについて体系的に知識を習得し、理解を深めておくことで、従業員のケアや心理的な負荷の軽減などの施策導入などに寄与できるでしょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、公式サイトによると「働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただく」とあります。
資格名 | メンタルヘルス・マネジメントⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種 |
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資格の種類 | 民間資格 |
受験料 | Ⅰ種 11,550円・Ⅱ種 7,480円・Ⅲ種 5,280円 |
合格率 | Ⅰ種 17.6%・Ⅱ種 54%~58%・Ⅲ種 69%~79%(2023年度) |
試験日 | 年2回(Ⅱ種・Ⅲ種)・年1回(Ⅰ種) |
試験団体 | 大阪商工会議所、施行商工会議所 |
労務知識の習得におすすめの資格3選
労務関連知識の習得におすすめの資格をご紹介します。
社会保険労務士
社会保険労務士は、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的とした国家資格です。
手続き代行と帳簿作成の業務独占資格でもあります。
資格名 | 社会保険労務士 |
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資格の種類 | 国家資格 |
受験料 | 15,000円 |
合格率 | 6.4%(2023年度) |
試験日 | 年1回(8月) |
試験団体 | 全国社会保険労務士会連合会試験センター |
衛生管理者
人事担当者が衛生管理者を取得することで、法令遵守や職場環境の改善、労働者の健康増進に関する専門知識を持つことができ、健康で働きやすい組織づくりに寄与できるでしょう。
衛生管理者の指定試験機関のサイトには、衛生管理者について以下のように説明されています。
資格名 | 衛生管理者(第一種・第二種) |
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資格の種類 | 国家資格 |
受験料 | 8,800円 |
合格率 | 第一種 45.8%・第二種 51.4%(2022年度) |
試験日 | 毎月 |
試験団体 | 安全衛生技術試験協会 |
人事総務検定
公式サイトによると、人事総務部の知識及び実務能力に関する民間で実施される検定試験です。人事総務・担当者レベルの3級、主任レベルの2級、課長レベルの1級の3種類の試験があります。
資格名 | 人事総務検定(3級・2級・1級) |
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資格の種類 | 民間資格 |
受験料 | 3級 5,090円・2級 7,640円・1級11,000円 |
合格率 | 発表なし |
試験日 | 年2回 |
試験団体 | 一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会 |
出典:一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会「人事総務検定」、LEC東京リーガルマインド「人事総務検定」
人事担当者に求められる知識やスキルとは
人事は、事業が目的を達成するために必要な人材を採用し、活躍できるように仕組みや制度を整えること、つまり人に関わるすべてのことが仕事です。
人事の仕事に求められる知識やスキルの概要をご紹介します。
人事の諸制度に関する知識
人事には、等級や評価、報酬などをはじめ、従業員の処遇にかかわるさまざまな制度があります。
働く人が多様化・個別化し、過去の人事制度が時代に合わなくなっていますが、どのような経緯で制度が成り立ってきているのか、これからの時代にあった制度を考えるためにも制度に関する基本知識が求められます。
労働法をはじめとする法律知識
労働関連法規に関する知識を習得し、法令遵守はもちろんのこと、従業員がより働きやすくなるための解決方法や仕組みを考えることが重要です。
社内の幅広い連携・調整力
人事が関わる部署や人は、経営層、事業部、上司や部下など多岐にわたります。求めるものも働き方も違う人達の中で、同じ目的に向けて意見を調整したり、対立している人に協力を求めるなどの力は大いに必要になります。
キャリアに関する知識やサポート力
人事担当者には、キャリアに関する知識や従業員のキャリアをサポートする力も不可欠です。
働く人の生き方・働き方が多様化する中、従業員がイキイキと働くためには、組織として従業員にどのようなキャリア形成ができるかを伝えられるほか、キャリア形成をサポートする仕組みを持っていることが重要です。
【関連記事】
「キャリア」とは?支援の専門家であるキャリアコンサルタントが解説
誠実さと公正な態度
人事では、採用や査定に関する業務にも携わります。私情をはさまず、誠実かつだれにでも公正な態度で接することも重要です。また人事の機密情報を取り扱うことから、守秘義務をまっとうすることも大事です。
参考:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)「人事事務」
人事担当者がキャリアコンサルタント資格を持つ有用性について、株式会社Jストリーム人事責任者の田中潤氏にインタビュー
人事担当者がキャリアコンサルタント資格を持つことの有用性について、株式会社Jストリームの人事責任者であり、キャリアコンサルタント養成講習「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」の講師でもある田中潤氏にお話しを伺いました。
※所属・役職は取材当時のものです。
― 早速ですが、キャリアコンサルタントの資格取得に向けた勉強は、対人支援に有用であることは理解ができます。一方、人事の幅広い仕事の中でも、労務などの事務方の仕事であっても有用かというとむずかしいのではないかな??と思ってしまったのですが・・・
直接的な対人支援業務に携わっていないとしても、例えば労務事務の担当者は現場とのフロント役なわけです。多くの問い合わせを受ける役割です。人事の社内評判を作るにはとても大事な仕事なんです。
問い合わせを受けた労務担当者は、具体的な問い合わせ内容だけではなく、問い合わせに至った背景や意図まで捉えられるとサービスレベルが上がります。
相手が本当に言いたいことは何だろう?という視点で人の話を聴くには、キャリアコンサルタント養成講習で学ぶカウンセリングスキルはとても大事だと思います。
キャリアコンサルタント養成講習で「聴く力」を習得すれば、この人は本当は何をしてほしいのか、何が困っているのかを正しくつかむ力がつくと思うんです。
― まずはカウンセリングスキルの「聴く力」を習得することが大事ということですね。
そうです。話を聞くことは、実は誰ひとり学校で習っていないんですよね。プレゼンテーションや伝えることは学校で習っていても・・・。
話を聴くことは、簡単にはできないことです。話す”音”を聴くだけならできても、きちんと意味のある聴き方というのは学ばないとできないですよね。
特に今の人事では、社内の多様な人たちの意見を聴くことがとても重要です。
コミュニケーションの中でも特に「聴く力」をもっていないと、人事の仕事ができなくなっていると思います。
― 「聴く力」がないと人事の仕事ができなくなっていると言われるくらいに、重要な力であるのはなぜでしょうか?
旧来型の人事システムなら、人事から社内に向けて施策をアウトプットできればよかったです。発信型の人事です。会社が決めて、社員が従うモデルです。
しかし、今は職場が多様化しているので、個々の人の話を聞いて、それに対して一律ではないアウトプットをするサイクルを回さないといい施策が効かなくなっているからです。発信する人事から、聴く人事に変わってきているのです。
例えば、昔は社内の人事制度は1つでした。
営業職とエンジニア職も同じ人事制度下でやっていたわけです。しかし、今はそれでは難しくなっています。当事者が求めることも、成果を出すのに適した働き方も違います。雇用形態も正社員だけではなくなり、働く時間も時短、週3〜4日勤務などと様々です。
それぞれ事情がある人の話を聞きながら、その人達に合った仕組みを作らなければならないので、発信よりもまず「聴く」ことがすごく大事になってきていると思うんです。
「聴く力」をもっともお手軽にかつ体系的にトレーニングできるのが、キャリアコンサルタント養成講習じゃないかと感じています。
― 人事担当者がキャリアコンサルタント養成講習を受講するメリット、「聴く力」以外にもあるでしょうか?
もちろんあります。
キャリア理論や労務関連知識、労働関連法規、労働市場情報など、人事に関する幅広い知識を習得できることもひとつです。人事で何の担当をしていても、このあたりは理解が必要です。
養成講習では、はじめに「キャリア」の概念について学びます。
キャリアカウンセリングの起源は、アメリカの産業革命の時代の「職業指導運動」ですけれども、そのあたりからの歴史を理解しておくことは、キャリア全体を理解するのに意味があると思います。
「キャリア」の捉え方は人によって違ったりするのですが、人事としては自分の会社が考える「キャリア」の意味や大事さを社内で言語化して伝えることが重要です。
講習で学ぶキャリア理論や人事制度については、時代が変わってきて発達論で学ぶ年齢とキャリアの相関に違和感を得たり、職能資格制度についても読んでも実感がわかないことがたくさんあったりすると思います。ただ、歴史として知っておくことは大事だと思います。意外と若い人事担当者は歴史を知りません。
継続学習も、受講のメリットとして考えて欲しいと思います。
人事の仕事をするには、学び続けることがとても大切です。キャリアコンサルタントの資格には、継続学習という仕組みがあります。これを負担に考えずに、自分の領域に役に立つ講座を計画的に受講することができる場だととらえれば、人事としての大切な学びの機会になります。
― キャリアコンサルタント関連の学び以外で、人事担当者が学んだほうがいいことも参考までに教えてください。
もはや、人事制度を作って終わりという時代ではありません。
人材開発と組織開発が人事業務の中心になってきている感じがします。キャリア開発を加えると3つの開発ですね。これらの分野は、実践的に学んでおいて欲しいと思います。人事が会社の業績向上に貢献するためには、この3つの開発が欠かせません。
今は企業にも「これをやれば勝ち」というものがわからないので、従業員に対してこういうふうになりなさい!と自信を持って言える力はないんです。むしろ、従業員が多様な場所で多様な学びをしてきて、いろいろなアイデアを持ってきてくれないと、新しい戦略は立てられない状態です。
人事が新しい人事制度と評価制度を作ってがんばれ!と言うだけでは、現場が元気にならず、業績は上がっていかなくなってきています。職場を元気にする必要があります。
ですから、人事は「聴く力」を使って現場に何が起こっているかを理解し、支援的な目線でアプローチすることがとても大事です。そこに、組織開発、人材開発、キャリア開発は大きな役割を持ちます。
組織開発は人と人との関係性を変えること、人材開発は一人ひとりのポテンシャルを上げることに寄与します。業績を上げていくという同じ目的に対してアプローチは異なりますが、ここでも「聴く力」が使えるんですよね。
また、ダイバーシティを推進する、いろいろな人と適切に関わるためには「クリアに伝える力」も重要だと思います。そして、「クリアに伝える」ためには、まず相手の話をしっかりと聴くことが絶対に必要です。こちらが伝えたいことを一方的に伝えたり、曖昧に伝えても響かないのです。
新卒同期などの共通認識のある人同士であれば、曖昧な伝え方でも伝わるかもしれませんが、多様な人々には相手に応じた言い方で明確に伝えないと伝わりません。中途採用が中心の会社であれば、なおさら重要です。
― ここまでは人事担当者であることを前提に伺ってきましたが、キャリアコンサルタントの資格を取得した後に、企業人事で活躍したいと考えている方もいらっしゃると思います。企業内キャリアコンサルタントを目指すなら意識しておきたいことはあるでしょうか?
企業組織で仕事をするなら、会社の業績をどう上げるかという目線が必要です。そのために職場の元気が必要なのです。1人ひとりの社員の元気が必要なのです。キャリアコンサルタントとして個々の人の支援をしたいという動機だけでは十分ではないです。
この人をどのように支援することによって、どう組織と関与していくのかいう目線も持っていないといけません。組織の中の個という視点ですね。
養成講習では、この分野については十分に伝えることができていないので、更新講習などで学び続けて欲しいところです。
さらには、目の前のクライアントの支援のために、組織に働きかけることもキャリアコンサルタントの役割です。寄り添うだけでは解決しないことにも、キャリアコンサルタントはチャレンジするのです。そして、それはまさに人事の役割でもあります。
― 最後に、これからキャリアコンサルタントを取得しようとしている人事担当者の方に向けて、メッセージをお願いします。
人事をやっていたら、キャリアコンサルタントを持って損はありません。
逆にキャリアコンサルタントの学びをしなければ、人事の仕事をするのがきつくなる時代がきっと来ます。
養成講習で学ぶ12日間は越境学習そのものでもあり、強い横のネットワークができます。
私は講習を担当していて、クラスのチーム作りを一番大事にしています。ここでのネットワークは財産ですからね。そして、広げようと思ったらその後どんどん繋がりは拡がります。これは、学んだ内容以上に意味のあることだと思っています。学び続ける仲間を組織外に持つことによって、多様な情報も入ってきますし、何よりも自分の思いとやる気を継続させられます。
また、キャリアコンサルタントほど、国が投資して期待している資格はあまりないと思います。
職業能力開発推進者は原則キャリアコンサルタントから出すことになりましたし、学び直し支援でもキャリアコンサルタントを活用しようと国は打ち出しています。人事にいる人がキャリアコンサルタントを取得すると、いやでも組織目線をもったキャリアコンサルタントになります。国の施策を考えると、この分野のマーケットはさらに拡大すると思います。
いろいろな意味で、ある種のおトク感のある資格ではないかと思います。
まとめ
最後に、人事担当者と資格についてまとめました。
- 人事の仕事では、資格を持っていると有利な資格がある
- おすすめの資格にキャリアコンサルタントや社会保険労務士、衛生管理士などがある
- 人事をやるなら、労働関連やキャリア関連知識、調整力などのスキルも重要
- キャリアコンサルタント資格は、人事職全般に有用である