キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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キャリアコンサルタントの資格取得を検討する過程で、年齢的な制約はあるのか、また資格取得後に年齢によって活躍に違いが出るのかなど、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はキャリアコンサルタントになるのに年齢は関係あるのか、また年齢によってどのような影響があるのかについて取り上げます。
この記事を読むと、キャリアコンサルタントを目指すにあたって、年齢面で意識しておくべきことがわかるでしょう。
キャリアコンサルタントになるのに年齢制限はあるのか?
まず、キャリアコンサルタントの資格取得にあたって、年齢条件の有無についてご説明します。
キャリアコンサルタント試験の受験資格は?
キャリアコンサルタント試験の受験資格は、以下の3点のいずれかを満たすこととなっています。
試験に年齢による制約はありません。同様に、厚生労働大臣が認定する講習、つまりキャリアコンサルタント養成講習の受講にも年齢の制約は設けられていませんので、ご安心ください。
就業上の年齢制限はあるのか?
他の職業と同様、キャリアコンサルティング関連職種には、年齢制限はありません。
就業そのものに対する年齢制限はありませんが、活動頻度の高いキャリアコンサルタントの年代は比較的高めになっています。そちらの点については後述します。
キャリアコンサルタントを目指したいという意志があれば、養成講習の受講 も キャリアコンサルタント試験の受験もさらに仕事に就くことも可能です。
では、実際のキャリアコンサルタント資格者の年齢層について、次の章で説明します。
キャリアコンサルタントの年齢層は?
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果によると、キャリアコンサルタントで最も多い年代は50代、次いで60代以上、40代という結果になっています。
図表を見ていただくとわかるとおり、キャリアコンサルタントの年齢は年々上がり、高齢化の傾向が顕著にあります。特に、男性では60代以上の方が増加し、女性では ピークが40代から50代に移っています。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」
キャリアコンサルタントの高齢化
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果では、キャリアコンサルタントの高齢化に関して3つの点が指摘されています。
① 高齢化の一層なる進行
現在、キャリアコンサルタントは50代が中心であり、 60歳以上の増加も著しくなっています。一方で、30代から40代のキャリアコンサルタントは減少しています。
キャリアコンサルタントには、一定の経験や実績を積み、企業人としての経験を必要だと考える人は多いでしょう。その点で言えば、 企業の経験だけでなく、家庭や育児、介護、ボランティアなどの様々な領域で経験を積んでいる50代以上のキャリアコンサルタントが増えることは問題にならないです。
加えて、日本の人口自体が高齢化しているので、キャリアコンサルタントも比例して高齢化しているというのは自然に考えられます。
②ITスキルの不足
コロナ禍を経て、面談やキャリアコンサルタント養成講習や更新講習のオンライン受講など、オンラインツールを使う機会がキャリアコンサルティングの活動の中にも増えています。
加齢に伴ってオンラインツールを用いる比率は統計的に有意に減少しているということもあり、 中高年層のキャリアコンサルタントの IT スキル向上・更新・維持は今後一層求められています。
③将来的なキャリア支援人材の先細りの可能性
目下キャリアコンサルタントの高齢化が進行していることもあり、20代から30代のキャリアコンサルタントの養成を検討する必要があるとしています。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」
活動頻度が高いキャリアコンサルタントの年代は?
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果では、活動頻度の年齢別の人数構成というのも 発表されています。
活動の多い特定の年齢層はあるのか?
キャリアコンサルタントの活動頻度の年齢別の合計では、50代が40.5%と最も多く、ついで60代、40代、30代、70代、20代の順になりました。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」
この結果を見ると、50代を中心とする40代から60代の中高年のキャリアコンサルタントが大多数となっています。
加えて、ほぼ毎日活動しているのは、50代から60代のキャリアコンサルタントであり、40代以下はあまり活動していないことが明らかになりました。
調査報告では、キャリアコンサルティング実務においては、経験豊富な50代以上が活躍の中心であり、反対に経験の浅い 20代から40代はなかなか実務につくことが難しいという風に考えられる、という内容の見解が述べられています。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」
キャリアコンサルタントの仕事とは?仕事内容や活躍の場、年収について解説
これまでの経験をキャリア支援に活用するとは?年齢とキャリアの関係を理論を用いて説明
キャリアコンサルティングの実務には、経験豊富な中高齢層のキャリアコンサルタントが重宝されているということが、調査結果で浮かび上がってきました。
キャリア支援には、これまでの経験が活かせるとは言うものの、中高齢層の人たちが経験していることとは?年齢を重ねることでどのような経験を積んでいて、その経験をどう活かすのか?
あるキャリア発達理論を用いてご説明します。
ドナルド・E・スーパー「ライフステージ論」における発達段階ごとの特徴
アメリカのキャリア理論家ドナルド・E・スーパーは、個人のキャリア発達の概念構築に「時間」と「役割」の概念を取り込みました。
幼児から老年期までのキャリア発達プロセスを、成長・探索・ 確立・維持・下降の5つの発達段階に整理した「ライフステージ論」を提起しました。
個人のキャリアは、心理社会的成熟や環境抵抗についての課題を達成するにともない発達していきます。
キャリア発達は、年齢にゆるく関連した予測可能な「発達的課題」と、年齢とは関係なく、不連続で予測不能な「適応課題」によって促されます。
出典:渡辺三枝子『新版キャリアの心理学 第2版』ナカニシヤ出版、2018年、p44より引用
スーパーが提起したライフステージの各段階の特徴を、表にまとめました。
ライフステージ | 年齢 | 特徴 |
---|---|---|
下降(開放) | 65歳以上 | 精神的・肉体的に衰え、職業世界から引退する。帰属するところがなくなるという自覚は、深刻な恐怖となる。それを解消するために新しい役割を開発することが課題となる。 |
維持 | 45歳から64歳 | 45歳に達するまでに、自分のキャリアを確立する。キャリアにおける成功が得られれば、この時期は自己実現の段階となる。 安定志向が高まり、リスクを避けるようになる。保守的になり、既存のキャリアを維持することに関心を持つ。 |
確立 | 25歳から44歳 | 25歳から30歳は「試行と安定期」と呼ばれるキャリアの初期で、自分の適性や能力について現実のしごととのかかわりの中で試行錯誤を繰り返す。 31歳から44歳では、試行と安定の後で確立していくことになる。自己の職業的専門性が高まり、ある職歴の中に位置づけられて安定し、昇進したり、自分の能力や適性を活かし転職したりする可能性もある。専門職の場合は、試行がなく、いきなり確立する人もいる。 |
探索 | 15歳から24歳 | 学校やレジャー活動、アルバイト、就職、転職などから、試行錯誤を伴う現実的な探索を通じて職業を選択する |
成長 | 0歳から14歳 | 家庭や学校での経験を通じて、仕事に関する空想や欲求が高まり、職業への関心を寄せる |
出典:『GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム テキストブック1』株式会社リクルートマネジメントソリューションズ、2024年、p.140より引用
キャリアステージ論が提起されたのは1980年代です。
約40年経った今でも、ライフステージの特徴を読んで、フィットすると感じることも多くあると思います。
スーパーのライフ・ステージ論は、キャリアコンサルタントで知らない人はいないであろう、キャリア発達理論の中でも特に重要なものの一つです。
キャリアコンサルタントの話に移ります。
「ライフ・ステージ論」を読むと、もっとも活動頻度の高い50代から60代のキャリアコンサルタントは、人によってはキャリアの確立や自己実現を達成し、年齢によっては下降も含めて経験してきていることがわかります。
定年退職や子どもの独立などのライフイベントを経て、新しい帰属先としてキャリア支援の道を選び、これまでの経験をベースに活躍されている人も多いと思います。
一方、20代から40代のキャリアコンサルタントであれば、自身のキャリアも試行錯誤と安定の真っただ中にあり、相談者の悩みを理解し、一緒に解決法を考えることについては経験を活かしやすいかもしれません。
キャリアコンサルタントも相談者と同じ「人」であり、年齢や経験を重ねることによって、考え方や支援の仕方が変化していきます。
一方で、支援者の年齢を問わない相談もある
一方、社会経済環境の変化のスピードが早まり、人生100年時代と言われるようになった現代では、生き方や働き方も多様化しており、過去の経験が必ずしも相談者のキャリア支援に活かせるとも限りません。
キャリア発達は、暦年齢にゆるく関連した予測可能な「発達的課題」と年齢との関係をもたず不連続で予測不能な「適応課題」によって促されます。
「発達的課題」に関する相談は、キャリアコンサルタントの人生経験が豊富であれば、悩む相談者と同じ目線で支援できる場合も多くあります。ただし、キャリアコンサルタントが自身の経験に引っ張られすぎたり、相談者が求める以上に経験談を語りすぎたりで、相談者が置いてきぼりになってしまうおそれもあります。意思決定の主体はあくまでも相談者にあることを意識し、必要に応じて経験を活用できるとよいでしょう。
「適応課題」であれば、キャリアコンサルタントが年齢を重ねた経験についてはそれほど重要ではなくなります。
目まぐるしく変化する社会動向やテクノロジーの進化など、働くことに影響を及ぼす可能性のある知識や、相談者の活躍が望めそうな労働環境や条件を一緒に考えながら支援するスキルを習得することが重要になってきます。
キャリアコンサルタント資格取得のメリットは
働く人のキャリア形成を支援する専門家、キャリアコンサルタント。
国家資格キャリアコンサルタントを取得するメリットについてご説明します。
キャリア支援の専門家として活躍できる
キャリアコンサルタント資格を活かしてキャリア支援関連のしごとに就くことは大きなメリットのひとつです。
カウンセリングの基礎を身につけられる
キャリアコンサルタントは、「職業人生」という相談者にとって重大な問題の相談を受けます。これまで誰にも話さなかったような人生の悩みを安心かつ信頼して話せるよう、キャリアコンサルタントにはカウンセリングの基礎力が求められます。
資格取得までの過程でカウンセリング実技を学び、相談者が安心して相談できるためのカウンセリングの基礎力を身につけられることもメリットのひとつと考えます。
人的資源管理や人材マネジメントについて学べる
キャリアコンサルタント養成講習では、人的資源管理、人材マネジメントに関する知識も学べます。
社会や経済の動向、キャリア形成支援の必要性の理解のほか、リカレント教育を含む職業能力開発、企業におけるキャリア形成支援、人事管理や労務管理、労働市場、労働関係法令や社会保障制度、メンタルヘルスなど、キャリアコンサルタントにとって必要不可欠な知識として資格取得を目指しながら学ぶことが可能です。
日常で使えるコミュニケーションスキルも習得できる
日常生活の中で、家族や友人、仕事仲間などとコミュニケーションスキルを学ぶのはなかなか困難だと思います。キャリアコンサルタントの資格取得に向けた勉強は、コミュニケーションスキルを磨く貴重なチャンスであるともいえます。
キャリアコンサルタントの資格は役に立たない?将来性についても解説
キャリアコンサルタント養成講習「GCDF」の受講者の年代
キャリアコンサルタント養成講習の受講を検討している方からよくいただく質問のひとつが、年齢に関する内容です。
「受講者は何歳位の方が多いですか?」
「60代でも勉強についていかれますか?」
とご質問をいただくことがあります。
GCDFは先着順受付でコースによって受講者の年代は異なるものの、20代から70代以上まで、幅広い方にご受講いただいています。(2023年度GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムの受講者データより)
過去には最高齢で80代の方が受講された実績もあり、学ぶ意欲があれば、年齢に関係なくチャレンジいただけます。
筆者がGCDFで学んだのは15年以上前のことですが、年代はもちろん、仕事も住む場所も価値観も違う人たちが一緒になって、同じ目標に向かって学んだ経験は貴重でした。
一人ひとりが持っている価値観を対話を通じて知り、受け入れて、というキャリア支援の基本的な姿勢を、GCDFのグループワークで学ばせていただいたと思っています。
まとめ
最後に、キャリアコンサルタントと年齢についてまとめました。
- キャリアコンサルタント試験受験や就業に年齢制限はない
- キャリアコンサルタントで最も多い年代は50代、次いで60代以上
- 20代から30代のキャリアコンサルタントの養成が課題になっている
- 人生経験を活かせる発達的課題の相談もあれば、年齢を問わない相談もある
- 養成講習は20代から70代の幅広い年齢層の方が受講している