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前を向くビジネスウーマン

キャリアコンサルタントを目指そうと考えている人の中には、資格を取ることでどのくらいの収入が見込めるのか、また資格取得のメリットや価値はどのようなところにあるのか、気になっている方もいらっしゃると思います。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によりますと、キャリアコンサルタント資格者の年収は、日本の平均年収よりやや高いという結果が出ています。また、資格を取得することで活動の範囲が広がり、自分自身のキャリアの幅を広げることに繋がっているという声もあります。

今回は、キャリアコンサルタントの平均年収についてご説明します。
加えて キャリアコンサルタントの資格を取得するメリットはどのようなところにあるのか、キャリアコンサルタントの専業機関に所属する者として、また一人の資格者としてご紹介できればと思います。

この記事を読むことで、キャリアコンサルタントの資格を取得すべきかどうかわかるようになるでしょう。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査

キャリアコンサルタントの平均年収は?

2023年に公表された独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」によると、2023年の直近5年間でキャリアコンサルタントの年収は若干増加しています。

年収増加という結果になった要因は、この調査に回答したキャリアコンサルタントは、雇用形態に関わらず大企業で働いている割合が高いからと推測されています。

キャリアコンサルタントの年収分布と地域差

個人年収分布では、最も多いのは「300~400万円未満」であり、中央値は「400~500万円未満」となっています。

こちらの調査結果では地域差には触れていませんでしたが、当協会で配信しているキャリアコンサルティング関連の仕事情報*を調べますと、一般労働者の賃金の地域差と同じく、他の地方に比べて首都圏、また大都市のほうが給与が高い傾向が見られます。
*GCDF-Japan資格者・CCA会員向けのもので、年間100件以上の配信実績があります。

活動場所や雇用状況による違い

雇用状況別では、非正規雇用よりも正規雇用のほうが年収が多い傾向にあります。自営の場合は、個人によって収入の開きが大きいことがわかっています。

収入は就業時間の結果と対応しており、正規雇用では年収500万円以上が多く、非正規雇用では年収100~500万円未満が多いという結果でした。

また、キャリアコンサルタントとして会社や団体などを経営している場合は、100万円未満も多ければ2,000万円以上も多くいます。

一方で、正規雇用の場合は、キャリアコンサルティングに関する活動による収入割合は低く、非正規雇用のほうがキャリアコンサルティングに関する活動による収入割合が高いという結果も出ており、キャリアコンサルタントの活動だけで生計を立てていくにあたっては課題も感じられます。

活動の場と年収を関連付けた調査報告はありませんでしたが、正規雇用の人の職場の業種としては、製造業が最も多く、ついで職業紹介・労働者派遣業、情報・通信業や教育機関となりました。

非正規雇用の人では、公共職業相談機関などの公務が最も多く、ついで職業相談以外の公務、教育機関と続いています。

経験年数による年収の変化

キャリアコンサルタントが国家資格化されてまだ9年目ということもあり、通算活動年数の平均は7.9年、中央値は6.0年となっています。

経験年数と年収増加の関係については、本調査では確認できませんでした。

統計ではありませんので参考程度ではありますが、当協会で活躍されている資格者の方ですと、1対1の面談に加えて、資格者向けにスーパービジョンを実施したり、組織へのキャリア支援制度の導入に携わったりなど、1対1の面談にプラスして仕事の幅を広げることによって、収入が上がる方もいるようです。

5年前との違い

独立行政法人労働政策研究・研修機構では、5年前にもキャリアコンサルタントに調査を行っています。

今回と5年前の違いでは、「キャリアコンサルティングに関連する活動」以外だけで生計を立てている割合が増え、キャリアコンサルタント資格が役立っている感覚は減少しているようです。

また、キャリアコンサルティングの仕事に従事する割合が減り、人事・総務・事務・管理の職務の割合が増加、大企業に勤務する人の割合が増加しました。

キャリアコンサルタント資格を取得するメリット

キャリアコンサルタント資格を取得するメリットは、年収以外にもあります。

スキルアップとキャリアの幅を広げる双方を実現

キャリアコンサルタントの資格を取得することで、職場での相談やキャリア支援に必要な知識とスキルを習得できます。

例えば、人事で働いている方や管理職の方であれば、相談スキルを習得することで、社員や部下からの信頼が増し、業務の幅が広がることが期待されます。

さらに、キャリアコンサルタントのスキルは他の業務にも応用が効き、総合的なスキルアップにつながります。
例えば、社内や顧客からの問い合わせを受けたとき、目の前の質問に答えることだけでなく、相手が本当に言いたいことは何かをつかみ、背景や意図も含めて捉えて回答できれば仕事の質もサービスレベルも上げられます。

副業やフリーランスで活躍できる可能性も

キャリアコンサルタントの資格を持つことで、副業やフリーランスの道も開かれます。

例えば、平日フルタイムで働いている方でも、平日夜間や土日などの時間でキャリア相談を受けることもできます。

相談者も、平日日中は仕事をし、それ以外の時間でキャリアについて考えたり悩んだりする場合も多くありますので、そのような時間帯での相談のニーズはあると期待できます。

GCDFの卒業生や当協会スタッフでも、キャリア相談や研修講師などの副業をしている人はいます。

キャリアコンサルタントの活動は、年齢を問わずにできる仕事です。
1回あたりの面談は1時間以内が多く、案件によっては、短時間から活動できる点もよいかと思います。

フリーランスのキャリアコンサルタントなら、自分のペースで仕事を進めることができます。クライアントとの直接契約がかなえば、より高収入を得ることも可能です。企業や教育機関の専属カウンセラーや講師として活動することで、定期収入を得ることも視野に入れられます。

コストパフォーマンスの視点で考えるキャリアコンサルタント資格取得

キャリアコンサルタント資格のコストパフォーマンスは、数値では見えづらく、加えて専門活動に従事するにも長期的な取り組みが必要な場合もあり、すぐには判断しづらいと思います。

それでも筆者自身、キャリアコンサルタント資格を取得してよかったと思えている理由についてまとめてみました。

資格取得にかかる費用と時間

キャリアコンサルタント資格を取得するには、受験料や講習費用が必要です。
一般的には20万円から40万円程度の費用がかかります。また、勉強時間も確保する必要があり、働きながらの資格取得には時間管理が重要となってきます。

しかし、資格取得後はその投資が就業につながったり、今の仕事のサービスレベルを上げることで昇給・昇格できる、副業を持てる、独立するなどのリターンを期待できます。

筆者の個人的な経験談です。

キャリアコンサルタント養成講習に通っていた当時、クラスで落ちこぼれだった自分が、まさか養成団体に入職するとは思ってもみませんでした。

当時たまたま教育訓練給付の対象になれず、高い投資だなと思いながらおそるおそる受講料を支払ったことを覚えています。

ただ、学び終わったあともキャリアへの興味・関心を失うことはなく、キャリア関連の仕事へ転職し、今に至っています。

話の聞き方の学び、キャリア支援領域で働いている年数、志の高いすばらしい方々との出会い、自分自身のキャリアへの捉え方の変わりようなどを考えると、投資対効果は予想以上だったといえます。

取得後のリターンを最大化する方法

資格取得後のリターンを最大化するためには、継続的なスキルアップが重要です。

キャリア関連のセミナーや更新講習などに参加し、最新の知識やスキルを習得することで、今キャリアに悩んでいる相談者や研修参加者の本当に困っていることを理解できます。信頼を得られることで、さらに次の依頼へとつながっていきます。

また、講習参加やSNSなどを通じて今活躍している資格者と出会ったり、異業種の方とコラボレーションして支援活動を広げるなど、ネットワーキングを通じて新たなビジネスチャンスをつかむことも重要です。

キャリアコンサルタントとしてのキャリアパス例

キャリアコンサルタントとして、専業あるいは兼業でキャリアを形成していく例を挙げてみます。

企業内で活動の場を広げる

企業内でキャリアコンサルタントとして働く場合、人事部門や教育部門で活動の場を広げられることが期待できます。

特に大企業では、キャリア開発プログラムの企画や実施に携わることができ、場合によっては管理職への昇進も見込めるでしょう。
また、キャリア面談や研修などを通じて従業員の人材育成に貢献することで、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与できます。

フリーランスとしての独立

フリーランスとして独立する場合、自分の専門分野や得意分野を活かしたサービスを提供することができます。

例えば、特定のある業界に特化したキャリアコンサルティングや、特定の役職などの受講者層に向けた研修講師、オンラインでの相談サービスなどがあります。

仕事の受注方法は、発注主からの直接契約、発注主から受託した企業との業務委託や派遣登録、有期契約社員といった形態があります。

独立後は、自分のペースで仕事を進められるだけでなく、活動内容によっては高収入を得るチャンスも広がります。

キャリアコンサルタント資格の価値と将来性

キャリアコンサルタントの資格取得後の活躍事例などを紹介します。

資格取得者の活躍事例

キャリアコンサルタント資格を取得した人の事例を紹介します。

GCDF卒業生では、資格取得後、異業種から人材業界でのキャリア支援職に転職された方、GCDFでの人との出会いから研修会社に転職され、後にキャリア支援部署の管理職になられた方や、企業人事でのキャリア支援担当を経て、人的資本に取り組んでいる方など、さまざまな場所で活躍されています。

また、資格取得後、フリーランスとして、企業や派遣スタッフなどのキャリアコンサルティングを複数担当され、活躍されている方もいらっしゃいます。

今後の市場動向と必要なスキル

キャリアコンサルタントの市場は、今後も拡大することが予想されます。

特に、終身雇用の崩壊やキャリアの個別化・多様化に伴い、個々のキャリア設計の重要性が増しています。そのため、キャリアコンサルタントには、幅広い知識と柔軟に対応できるカウンセリングスキルが求められます。

また、コロナ禍以後はオンライン相談も増加しており、ミーティングツールを使いこなせるデジタルスキルも必要です。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の報告書によれば、キャリアコンサルタントの高齢化が進んでおり、目下20代・30代や、デジタルスキルに強いキャリアコンサルタントが不足しているのが実情です。

キャリアコンサルタントは、比較的長く続けられる仕事のひとつです。
今後の動向に備え、20代や30代のうちにキャリアコンサルタントを取得し、副業やフリーランスなどでキャリア支援に携わることも有効でしょう。

まとめ

最後に、キャリアコンサルタントと年収についてまとめました。

  • キャリアコンサルタントの年収は400~500万未満が中央値
  • 大企業に務める資格者が増え、年収平均は増加傾向
  • 5年前に比べて、キャリアコンサルティングの活動以外で生計を立てている人が増加傾向
  • キャリア支援職への就業や養成講習の学びを活かしたサービスレベル向上で昇進・昇給できる可能性も
  • フリーランスでは、専門分野や得意分野とキャリアをかけ合わせてビジネスチャンスを広げる例もある