キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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人生 100 年時代の到来、終身雇用制度の崩壊、コロナ禍、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速化など、働くことを取り巻く社会環境は大きく変化しています。従来とは異なる多様な働き方が求められている中で、「これからどのように働いていけば良いのか」、「仕事だけではなくプライベートも含めてどんな人生を送っていきたいのか」を考えることが増えた方も多いのではないでしょうか。

自分自身のキャリアについて考えたことをきっかけに、キャリア支援にかかわる専門家「キャリアコンサルタント」を目指す人も増えています。キャリアコンサルタントの資格取得を検討している方からは、「キャリアコンサルティングの経験がなくても、キャリアコンサルタントになれるのか?」とご質問をいただくことがあります。

今回は、キャリアコンサルタントとはどのような資格か、キャリアコンサルタント試験の受験資格、目指し方について解説します。本記事を読むと、未経験でもキャリアコンサルタントになれること、そのための方法がわかるでしょう。

キャリアコンサルタントとは?

キャリアコンサルタントとはどのような活動をする人なのか?厚生労働省のサイトでは、以下のように説明されています。

「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています。

出典:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、企業において人事部に所属し従業員のキャリア支援を行ったり、ハローワークや人材紹介、人材派遣、再就職支援会社において就職、転職希望者の活動支援を行います。また、高校、専門学校、大学においてキャリア関連の授業、講座の実施やキャリア相談を行ったり、地域若者サポートステーション*のような若者自立支援機関で相談業務を行います。

*地域若者サポートステーション・・・地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)は、働くことに悩みを抱えている15~49歳までの人を対象に、就労に向けた支援を行う機関です。厚生労働省が委託した全国の若者支援の実績やノウハウがある民間団体などが運営、全国の方が利用しやすい「身近に相談できる機関」として、全ての都道府県に設置されています。
出典:厚生労働省 サポステ 地域若者サポートステーション「サポステとは

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キャリアコンサルタントとは?資格取得までのステップと試験合格後の手続きを解説

キャリアコンサルタントは10代の若者から60代から70代のシニア層まで幅広い年齢層を対象にさまざまな場所で活躍しています。最近では職業選択の支援だけではなく、相談者の生涯にわたる職業生活設計と職業人としての生涯発達に関わることが求められています。ひとりひとりの相談者がいかに自分らしく働くか、自分らしく生きるかを考える支援を行い、その結果より良い社会を実現することに繋がる、そんなやりがいを感じられるのがキャリアコンサルタントの仕事です。

キャリアコンサルタントは2016年に国家資格として法制化されました。厚生労働省のデータによると、2024年10月末時点でのキャリアコンサルタント登録者数は77,174人となっており、資格取得者数は年々増加しています。

また、2014年に厚生労働省はキャリアコンサルタント養成計画として、2024年度末までにキャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の累積養成数目標を10万人としました。
この目標は、2023年3月に累積養成数が約10万7,000人となり達成しましたが、近年の社会環境の変化の中でキャリアコンサルタント活用の必要性が指摘されており、社会的役割への期待も高まっています。キャリアコンサルタントは、今後もますます求められていくことでしょう。

国家資格キャリアコンサルタント登録者数推移

出典:国家資格キャリアコンサルタントWebサイト 登録センター「最新情報

キャリアコンサルタント試験の受験資格

では、どうすればキャリアコンサルタントになることができるのでしょうか?キャリアコンサルタントになるためには、登録試験機関が行うキャリアコンサルタント試験に合格することが必要です。試験を受けるための資格は3種類あります。ここからはその3種類の資格について解説します。

キャリアコンサルタント養成講習の受講を修了した者

キャリアコンサルティングの実務経験がない場合は、厚生労働大臣が認定するキャリアコンサルタント養成講習を受講することが必要です。厚生労働省が発表した第21回キャリアコンサルタント試験結果の概要によると、受験者のうちキャリアコンサルタント養成講習を修了した方が約9割でした。キャリアコンサルティングの実務経験がない方が大半なため、多くの受験者はキャリアコンサルタント養成講習を修了して受験資格を得ています。

出典:厚生労働省「第21回キャリアコンサルタント試験結果の概要

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キャリアコンサルタントは独学で取得できる?受験資格や勉強法を解説

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

キャリアコンサルティングの実務経験が3年以上ある者

実務経験が3年以上ある場合は、養成講習を受講しなくても試験を受けることができます。「キャリアコンサルティング」に該当するか否かは、厚生労働省のサイトで以下のように説明されています。

  • キャリアコンサルティングによる支援対象者が、「労働者」であること。なお、ここでいう労働者とは、現在就業している方のみならず、現在仕事を探している求職者(ハローワーク等の職業紹介機関に求職の申込みを行っている方、学卒就職希望者等)を含みます。
  • 相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関するものであること。
  • キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又はこれに準ずるもの(少人数(概ね6名以内)グループワークの運営等)であること(情報提供に止まるもの、授業・訓練の運営そのもの等は含みません。)。
出典:厚生労働省「キャリアコンサルティングに係る実務経験について

技能検定キャリアコンサルティングの学科または実技の合格者

キャリアコンサルティング技能検定1級または2級に一部合格している方のことを指します。学科試験又は実技試験のどちらか合格している試験の免除を受けることができます。キャリアコンサルティング技能検定は、国家資格キャリアコンサルタントの上位資格となり、受験するにはキャリアコンサルティングの実務経験が必要です。

出典:キャリアコンサルティング協議会「5分でわかるキャリアコンサルティングの資格試験

なお、キャリアコンサルティング技能検定1級または2級の合格者はキャリアコンサルタント試験の合格者として扱われます。検定試験合格後、キャリアコンサルタント名簿への登録が必要です。登録申請する日から遡り5年以内に合格している場合は合格証明書類のみで登録可能、5年以上前に合格している場合は登録申請前に38時間の更新講習を受講する必要があります。

出典:国家資格キャリアコンサルタントWebサイト登録センター「キャリアコンサルティング技能士資格をお持ちの方の登録申請

キャリアコンサルタント養成講習とは?

キャリアコンサルタントの実務経験がない方がキャリアコンサルタントの資格を取得するには、厚生労働大臣が認定する「キャリアコンサルティング養成講習」を受講する必要があります。実務経験がある場合も、経験だけでは得られない専門的な知識・技能を体系的に学べることから、養成講習を受講する方もいます。 キャリアコンサルタント養成講習にはどのような特徴があるのか、選び方のポイントについて解説します。

養成講習修了者の合格率は比較的高い傾向

直近に実施された7回分のキャリアコンサルタント試験結果から、キャリアコンサルタント養成講習修了者(養成講習修了)とキャリアコンサルティング実務経験者(実務経験)の合格率を調べました。

キャリアコンサルタント試験の受験資格別合格率

上のグラフを見ると、学科試験と実技試験のいずれにおいても、キャリアコンサルティング実務経験で受験した人よりも、キャリアコンサルタント養成講習修了者のほうが合格率が高いことがわかります。特に、実技試験に関しては10ポイント以上の差が出ているのが特徴的です。

キャリアコンサルタント養成講習のスクールは?

キャリアコンサルタント養成講習を行う団体は現在23団体あります。各団体の「養成講習」にはそれぞれ特徴があり、費用や日程、受講方法もさまざまです。専門実践教育訓練給付を使って受講できる講習もあり、一定の要件を満たすと学費の最大70%が支給されます。無料相談会を開催しているスクールもあるので、事前に確認するとよいでしょう。

キャリアコンサルタント講習検索サイト

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムを知る

キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムでは、知識・技能の両側面からキャリアコンサルティングの基礎を学びます。カリキュラムの総時間数は150時間で、そのうちの約半分は理論や知識を学ぶ「講義」、残り半分は面接実技を習得する「演習」となります。演習では、カウンセリングの進め方、相談者への関わり方について、ロールプレイングや指導を通じて体感しながら理論的に学習します。

カリキュラムの内容は「キャリアコンサルティングの社会意義」、「キャリアコンサルティングを行うために必要な知識」、「キャリアコンサルティングを行うために必要な技能」、「キャリアコンサルタントの倫理と行動」となっています。

さらに、社会環境の変化を背景として、キャリアコンサルタントに期待される社会的役割が拡大していることから、養成講習のカリキュラムも見直されました。
セルフ・キャリアドック等の企業におけるキャリア支援、リカレント教育等による個人の生涯にわたる主体的な学び直しの促進、職業生涯の長期化、仕事と治療、子育て・介護と仕事の両立支援等の重要課題に対応した内容となっています。

出典
厚生労働省「講習カリキュラム別表
厚生労働省「職業能力開発促進法施行規則及び職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令の一部を改正する省令(概要)

キャリアコンサルタント養成講習の期間は3ヶ月から6ヶ月程度

キャリアコンサルタントの養成講習の期間は団体によってさまざまですが、平均すると3ヶ月から6ヶ月程度です。土曜日、もしくは日曜日といった週末のどちらか1日に開催される講習も多く、働きながら無理なく学べるようになっています。やむを得ず都合がつかない日がある場合は振替制度を設けているスクールもありますので、事前に確認するとよいでしょう。

GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム 開講スケジュール

キャリアコンサルタント養成講習の受講方法は?

キャリアコンサルタント養成講習の受講方法は、オンラインと通学の2種類があります。オンラインのメリットは、居住地を気にせず受講できる、通学時間がかからない、育児や介護等で自宅を離れづらい方も受講しやすい、自宅のリラックスした空間で受講できる点です。

一方通学のメリットは、学ぶための場所に身を置くことで集中できる、講師やキャリアコンサルタントを目指す仲間とのリアルなコミュニケーションができるため、気軽に質問や会話がしやすい点です。

筆者自身は通学で養成講習を受けましたが、休憩時間や昼休みに何気ない雑談をしたり情報交換できたことが、講習を受ける上でのモチベーションになりました。また、養成講習に通ってから10年弱経ちますが、今でも当時共に学んだ仲間とは定期的に集まり、キャリアコンサルタントとしての活動を共有し合い、刺激をもらっています。

多くの養成講習は受講方法を選択することができるようになっています。オンラインか通学か、自分に合った方法を選ばれると良いでしょう。

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キャリアコンサルタント養成講習をオンラインで受講するメリットと注意点とは?キャリアコンサルタントが解説

未経験者がキャリアコンサルタントを目指すには?

ここまでキャリアコンサルタント試験の受験資格や、キャリアコンサルタントの養成講習について解説してきました。キャリアコンサルティングの実務未経験者がキャリアコンサルタントを目指すにはどのような方法があるのでしょうか。

キャリアコンサルタントの資格を取得する

未経験者がキャリアコンサルタントを目指すための第一歩は、キャリアコンサルタントの資格を取得することです。キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、キャリアコンサルタントの養成講習に通う必要があります。

養成講習ではキャリアコンサルティングを行うために必要な知識や技能、キャリアコンサルタントとしての倫理や行動について学ぶことができます。また、面接実技に関してはロールプレイングや指導を通して、相談者が安心して相談できるためのカウンセリングスキルを身につけることができます。

養成講習での学びを通して、キャリアコンサルティングを行うために必要な知識、技能、態度を習得します。さらに資格取得のためには養成講習の受講が修了した後も試験に合格するために学科試験の勉強を行い、知識を深め定着させます。また、実技試験対策として論述や面接ロールプレイングの練習を何度も重ねる人も少なくありません。このようなプロセスを通して、実務経験がなくてもキャリアコンサルタントとして活動するための土台を築いていくのです。

さらに、資格を取得した後もキャリアコンサルタントの登録を継続するためには、5年ごとの資格更新が必要です。知識や技能の維持を図るために知識講習(8時間以上)や技能講習(30時間以上)を受講します。これらの学びを続けることで、常にキャリアコンサルタントとして必要な知識や技能をブラッシュアップすることができます。

未経験者向け求人に応募する

キャリアコンサルタントの資格が取得できたら、資格を活かしてキャリアコンサルティングを行う仕事に就きたいと思う人が多いでしょう。しかし、「キャリアコンサルタントの資格を取ったのは良いが、実務経験を求める求人が大半でなかなか応募できる求人が見つからない」といった声をよく聞きます。

ここで、キャリアコンサルタント有資格者の就業状況について確認しておきましょう。2018年に発表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書 No.200
キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」によると、「キャリアコンサルティングに関連する活動」について、「ほぼ毎日活動している」(31.9%)、「週2~3回程度活動している」(13.3%)、「週1回程度活動している」(6.4%)、「不定期に活動している」(28.2%)、「活動していない」(20.3%)との回答結果が出ています。

また、キャリアコンサルティングの活動を行っている人においては、「専任・専業である」(37.3%)、「兼任・兼業である」(62.7%)との回答結果が出ています。資格を取ったとしても、キャリアコンサルティングの活動を十分には行えていない人もいることがわかります。

キャリアコンサルティングに関連する活動の現在の主な活動の場別の特徴キャリアコンサルティングに関連する活動の専業および専業割合

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書 No.200 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」より引用

このような状況の中で、キャリアコンサルティング未経験者が応募できる求人は領域によりますが存在します。比較的求人が多いのは、人材紹介会社のキャリアアドバイザー、人材派遣会社のコーディネーターです。営業や接客等の顧客折衝経験があれば応募可能な求人も多いです。また、就労移行支援事業所における就労支援員、大学のキャリアセンターにおける相談員の求人も未経験者が応募できる場合があります。

未経験可能な求人に応募する場合は、キャリアコンサルティング以外の経験で応募先求人との接点を見つけることが重要です。例えば、IT業界で営業職を経験していたら、IT業界を専門で担当するキャリアアドバイザーとして業界の知識を活かすことができます。相談者の年齢層や属性と近い方を対象にした仕事をしていたら、その経験もアピールできる可能性があります。

キャリア相談に関わる仕事で経験を積む

未経験者がキャリアコンサルタントの資格を取ってすぐに転職するのは難しいかもしれませんが、さまざまな方法でキャリア相談に関わる仕事を行い経験を積むことはできます。例えば、現在の職場にキャリアコンサルタントの資格を取得したことを伝えたら、従業員のキャリア支援に関わるプロジェクトにアサインされたり、キャリア面談を行う機会に恵まれるかもしれません。

まずは副業としてキャリア相談に関わる仕事を始めることは、経験を増やしつつ自分に向いているかを判断できる点からお勧めです。スキルシェアサービスや、従業員の1on1ミーティングを外部人材が行うサービスなどに登録することで、キャリア相談に関わるチャンスが生まれます。

キャリアコンサルタントとしてすでに活動している人とのネットワークを築いておくことも重要です。キャリアコンサルタントとしてどのように仕事を獲得していったのか、経験談を聞くことで参考になります。さらにキャリアコンサルタントの実際の仕事が理解でき、やりがいや苦労も含めてリアルにイメージすることができるでしょう。

キャリアコンサルタントとして活躍するために必要な自己研鑽や情報源についても学ぶことができます。チャンスがあれば仕事を紹介してくれるかもしれません。人脈で仕事を依頼されるケースも非常に多い業界なので、強いネットワークが構築できる養成講習団体を選ばれるのもよいでしょう。

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キャリアコンサルタントの仕事とは?仕事内容や活躍の場、年収について解説

まとめ

  1. 未経験者は養成講習を受講して資格を取得することが必要
  2. キャリアコンサルタント養成講習は団体によって特徴があり期間や受講方法もさまざま
  3. 未経験者がキャリアコンサルタントを目指すには資格取得が第一歩
  4. 未経験者が応募できる求人は領域によっては存在する
  5. まずは現職や副業でキャリア相談に関わる経験を積むことも有効