キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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働くことを取り巻く社会環境が大きく変化している現代において、働く人のそばで生き方や働き方を一緒に考え、伴走し続ける存在であるキャリアコンサルタントは注目を集めている資格です。
キャリアコンサルタントを目指したいと思う方の中には、キャリアコンサルタント資格を取得するのはどのくらい難しいのか、試験の範囲や勉強時間が気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、キャリアコンサルタント資格の難易度や合格率の推移、試験の出題範囲や合格基準、勉強時間について解説します。合格者が語る勉強方法についても具体例を挙げて紹介します。後半ではキャリアコンサルタントの関連資格についても解説します。
この記事を読むと、キャリアコンサルタント資格の難易度がわかり、資格取得に向けてどのような準備をすればよいかわかるようになるでしょう。
キャリアコンサルタント資格の難易度や合格率は?
まず初めに、キャリアコンサルタントとはどのような資格なのか、難易度や合格率はどの程度なのか解説します。
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントは、厚生労働省のサイトで以下のように説明されています。
キャリアコンサルタントは、企業領域(人事部において従業員のキャリア支援を行う)、需給調整領域(ハローワークや人材紹介、人材派遣、再就職支援会社において就職、転職希望者の活動支援を行う)、学校・教育領域(高校、専門学校、大学においてキャリア関連の授業、講座の実施やキャリア相談を行う)、地域領域(地域若者サポートステーション*のような若者自立支援機関で相談業務を行う)など幅広い分野で活動しています。
*地域若者サポートステーション・・・地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)は、働くことに悩みを抱えている15〜49歳までの人を対象に、就労に向けた支援を行う機関です。厚生労働省が委託した全国の若者支援の実績やノウハウがある民間団体などが運営し、全国の方が利用しやすい「身近に相談できる機関」として、全ての都道府県に設置されています。
出典:厚生労働省 サポステ 地域若者サポートステーション「サポステとは」
キャリアコンサルタントは10代の若者から60代、70代のシニア層まで幅広い年齢層を対象に活躍しています。その支援内容も最近では職業選択の支援だけではなく、相談者の生涯にわたる職業生活設計と職業人としての生涯発達に関わることが求められています。相談者がより良い人生を送り、自分が望む生き方を実現できるよう支援することで、より良い社会を実現することにも繋がる、やりがいの大きい仕事です。
キャリアコンサルタントは2016年4月より国家資格になりました。キャリアコンサルタントは登録制(5年ごと)の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。厚生労働省のデータによると、2022年12月末時点でのキャリアコンサルタント登録者数は64,160人となり、資格取得者数は年々増加しています。また、厚生労働省はキャリアコンサルタント養成計画として、2024年度末までにキャリアコンサルタントを10万人にすることを数値目標として2014年に発表しています。
キャリアコンサルタント試験の合格率
2021年以降の直近8回のキャリアコンサルタント試験の学科、実技試験同時受験者の合格率は50%程度で推移しています。
実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第24回 (2023年11月) |
受験者数 3,757人 |
合格者数 1,704人 |
合格率 45.4% |
第23回 (2023年7月) |
受験者数 3,220人 |
合格者数 1,955人 |
合格率 60.7% |
第22回 (2023年3月) |
受験者数 3,942人 |
合格者数 2,338人 |
合格率 59.3% |
第21回 (2022年11月) |
受験者数 3,489人 |
合格者数 1,637人 |
合格率 46.9% |
第20回 (2022年7月) |
受験者数 3,073人 |
合格者数 1,686人 |
合格率 54.9% |
第19回 (2022年3月) |
受験者数 3,697人 |
合格者数 1,795人 |
合格率 48.6% |
第18回 (2021年11月) |
受験者数 3,638人 |
合格者数 2,187人 |
合格率 60.1% |
第17回 (2021年7月) |
受験者数 2,910人 |
合格者数 1,260人 |
合格率 43.3% |
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」
▼参考ページ
キャリアコンサルタントとは?資格取得までのステップと試験合格後の手続きを解説
他の国家資格とキャリアコンサルタントの合格率を比較してみましょう。
他の国家資格の合格率と比較すると比較的高い数値であり、しっかりと勉強して準備をすれば取得可能な資格です。また、キャリアコンサルタント試験は年に複数回試験が行われることから、年に1回しか試験が行われない公認心理師や社会保険労務士などの他の国家資格と比較すると、比較的受験しやすい資格と言えます。
国家資格名 | 合格率 (2022年) |
---|---|
精神保健福祉士 | 65.6% |
キャリアコンサルタント | 50.1% |
公認心理師 | 48.3% |
宅地建物取引士 | 17.0% |
行政書士 | 12.1% |
社会保険労務士 | 5.3% |
※キャリアコンサルタントの合格率は、2022年に実施された3回分の試験を合計して算出
キャリアコンサルタント試験の出題範囲や配点、合格基準は?
ここからはキャリアコンサルタント試験の出題範囲、配点、合格基準について解説します。試験は学科試験と実技試験があり、実技試験は論述と面接(ロールプレイ)があります。学科試験と実技(論述)試験が同一日に行われ、実技(面接)試験が別日程で行われます。
学科試験と実技試験のどちらかひとつだけの受験も可能ですが、キャリアコンサルタントとして登録するには、両方の試験に合格する必要があります。また、学科試験か実技試験のどちらか一方に合格した場合、合格した試験の有効期限はありません。なお、実技試験は論述試験と面接試験の両方で必要な点数を獲得することで合格となります。
キャリアコンサルタント試験は2つの団体で実施
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が登録した「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」と「特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)」の2つの団体(登録試験機関)が実施しています。学科試験問題は2団体共通で同一日に共通問題で行います。実技試験問題はそれぞれ異なる特徴があります。
2021年以降の直近8回の団体別の学科、実技、学科実技同時合格の合格率は以下の通りです。試験回ごとに合格率にばらつきがありますが、どちらかに偏りがあるわけではありません。
実施回 | 学科 | 実技 | 同時合格 |
---|---|---|---|
第24回 (2023年11月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第23回 (2023年7月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第22回 (2023年3月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第21回 (2022年11月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第20回 (2022年7月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第19回 (2022年3月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第18回 (2021年11月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
第17回 (2021年7月) |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
協議会 JCDA |
*協議会・・・特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会で実施
JCDA・・・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)で実施
出典:キャリアコンサルティング協議会 国家資格 キャリアコンサルタント試験「合格発表」・日本キャリア開発協会 国家資格キャリアコンサルタント試験「試験結果」
学科試験の出題範囲・配点・合格基準
学科試験は、四肢択一のマークシート問題が50問出題され、100分間で解答します。合格基準は100点満点(2点×50問)で70点以上の得点であることです。
問題は「Ⅰ キャリアコンサルティングの社会的意義」「Ⅱ キャリアコンサルティングを行うために必要な知識」「Ⅲ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能」「Ⅳ キャリアコンサルタントの倫理と行動」の 4つの出題範囲の中から出題されます。
例えば、キャリアコンサルティングが求められるようになった社会的な背景や役割といった概念的な部分から、キャリア理論、カウンセリング理論、企業におけるキャリア形成支援、労働市場、社会保障制度、カウンセリングの知識や技法、キャリア教育、メンタルヘルス、キャリアコンサルタントの倫理や姿勢まで、学科試験で問われる範囲は広範囲に渡ります。
学科試験の出題範囲は以下の通りです。
実技試験の出題範囲・配点・合格基準
実技試験は、論述試験と面接試験の2種類が行われます。論述は記述式問題(50分)、面接はロールプレイ(15分)と口頭試問(5分)です。合格基準は150点満点(論述が50点満点、面接が100点満点)で90点以上の得点であることです。
ただし、論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は3つの評価区分ごとに満点の40%以上の得点が必要です。したがって論述も面接も、また面接のどの評価項目もある程度偏りなく点数を獲得する必要があります。面接の3つの評価区分は試験団体によって異なりますので、詳しくは「団体によって出題方法と評価基準が異なる」の項目で説明します。
論述とは、事例記録または逐語記録を読み、設問に解答する試験です。キャリアコンサルティングでのやり取りを記録した文章を読み、キャリアコンサルタントとして相談者をどのように支援するのかを文章で解答します。試験団体で出題方式が異なりますので、詳しくは「団体によって出題方法と評価基準が異なる」の項目で説明します。
面接のロールプレイとは、受験者がキャリアコンサルタント役になり、相談者役とキャリアコンサルティングを行うことです。実際のキャリアコンサルティング場面を想定して、面談開始から最初の15分間という設定で行います。
登録試験機関のページでは、「ロールプレイでは、キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)で、相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が自分に気づき、成長するような応答、プロセスを心がけてください」と記載されています。
ロールプレイにおいて相談者役の年齢、職業、家族構成、置かれている環境はさまざまであり、相談内容も多岐に渡ります。試験が始まるまでどのような相談内容かはわかりません。柔軟に対応できるよう、ロールプレイの練習を何度も重ねておくことが大切です。
ロールプレイが終わったら、次は口頭試問です。口頭試問では、自ら行ったキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答えます。受験者がどのような考えを持ってキャリアコンサルティングを行っていたのか、自ら行ったキャリアコンサルティングを客観的に捉えることができているかを問われます。
面接試験も試験団体によって評価区分が異なりますので、詳しくは「団体によって実技試験の出題方法と評価基準が異なる」の項目で説明します。
実技試験の出題範囲は以下の通りです。
団体によって実技試験の出題方法と評価基準が異なる
キャリアコンサルタント試験は、2つの団体で実施されています。学科試験はどちらでも同じ問題が出題されます。一方、実技試験は、試験団体によって出題方式や評価区分が異なりますので注意しましょう。
キャリアコンサルティング協議会 | 日本キャリア開発協会 | |
---|---|---|
論述の出題方式 | 事例記録を使用。 キャリアコンサルタントの意図や受験者自身が考える問題、今後の進め方を問われる。 | 逐語記録を使用。 2つの逐語記録の違いや応答についてや今後の具体的な展開方法について問われる。 |
面接の評価区分 | 「態度」「展開」「自己評価」 | 「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」 |
出典:キャリアコンサルティング協議会 国家資格 キャリアコンサルタント試験「過去問題」、日本キャリア開発協会 国家資格キャリアコンサルタント試験「過去問題」
論述試験で使われる記録は、試験団体によって異なります。キャリアコンサルティング協議会が実施する論述試験では、事例記録を使います。事例記録とは、キャリアコンサルタントが実際に行った面談を元に作られるもので、相談者とキャリアコンサルタントの応答内容の中で重要なものをピックアップし、さらにキャリアコンサルタントの所感(見立てや今後の方針)を記載したものです。試験では事例記録を読み、相談者が相談したかったこと、キャリアコンサルタントの意図、受験者自身が考える相談者の問題、今後の進め方の方針を問われます。
また、日本キャリア開発協会が実施する論述試験では、逐語記録が使われます。逐語記録とは、面談における相談者とキャリアコンサルタントの応答を一語一句、文字に起こしたものを指します。試験では、2つの逐語記録の違いや応答の相応しさ、受験者自身が考える相談者の問題、今後の展開を問われます。
キャリアコンサルティング協議会の評価区分は「態度」「展開」「自己評価」なのに対し、日本キャリア開発協会の評価区分は「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」です。
実技試験の出題方式や評価区分は異なるものの、試験の出題範囲は共通です。基礎をしっかりと学べばいずれの試験も対応可能です。具体的な違いについては、各団体のサイトで過去問題をチェックすることをおすすめします。
キャリアコンサルタント資格を取得するまでの勉強時間
キャリアコンサルタント資格を取得するにはどのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。
キャリアコンサルタントの試験は、現状では3月・7月・11月の年3回実施されています。まずは仕事のスケジュールやライフイベント等を考慮して、受験する月を決めます。受験時期が決まったら、その6ヶ月あたり前を目安に勉強を始めるとよいでしょう。
キャリアコンサルタント養成講習の修了で受験する場合
キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムの総時間数は厚生労働大臣により150時間以上と定められています。キャリアコンサルタントの養成講習の期間は団体によってさまざまですが、平均すると3ヶ月から6ヶ月程度です。
▼参考ページ
資格取得までにかかる期間と合格率
養成講習の修了後も、試験に合格するためには自主学習の時間を確保することが必要です。養成講習の修了から試験日まで3ヶ月程度の期間を設けて、その間に自分のペースで学習を進めるとよいでしょう。人によって勉強時間は様々ですが、予備知識や実務経験のない初心者の場合、合格に必要な学習時間は100時間程度と言われています。1日1時間から2時間程度学習すれば、2ヶ月から3ヶ月程で到達できるので、働きながらでも比較的合格が目指しやすいと言えます。
学科試験対策としては、まずは過去問題を解くことが重要です。試験団体のサイトでは、過去に実施した3回分の試験問題が公開されています。合格基準に達するまで繰り返し過去問題を解き、出題傾向や自分の苦手な分野を把握するとよいでしょう。
解けなかったり自信がなかった問題については、養成講習のテキストに立ち戻る、参考書を活用するなどして、背景に至るまで理解を深めておくと応用問題にも対応できます。また、官公庁が発表した資料や統計情報からも出題されることがありますので、目を通しておくことをおすすめします。
論述試験対策も、試験団体のサイトに過去問題が公開されていますので繰り返し解いてみましょう。論述試験の模範解答は登録試験団体からは公表されません。ブログやYouTubeなどで解答例を公開しているものもありますが、それはあくまでも解答の一例なので参考までにとどめておきましょう。試験対策講座を活用して設問の意図や回答ポイントを把握したり、複数人で話し合ってさまざまな視点を検討することも有効です。
面接試験対策は、実際の試験と近い設定や時間配分でロールプレイを何度も経験することに尽きます。養成講習の仲間同士でロールプレイするだけではなく、すでに合格している有資格者や全く面識のない相手とロールプレイすることもおすすめです。さらに自分の行ったロールプレイを録音し逐語記録をとって見直すことで、自分の応答のクセや課題に気付くことができます。養成講習団体などが行っている面接対策講座を受講するのも一つの方法です。
実務経験があり、独学で受験する場合
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方であれば、キャリアコンサルタント養成講習を受講しなくても独学でキャリアコンサルタント試験を受験することができます。
キャリアコンサルタント資格を取得するまでの勉強時間は、キャリアコンサルティング関連知識や関連職種の経験によっても異なると考えられます。厚生労働省が定める養成講習は150時間で、養成講習を受講する場合もさらに自主学習を行うことが通常です。そのため、独学で受験する場合は150時間を最低限の勉強時間として考えるとよいでしょう。
独学の場合の勉強方法は養成講習修了の場合の勉強方法と基本的には同様ですが、工夫が必要な点もあります。実務経験で得る知識や経験には偏りがある場合もあるため、学科試験対策としては自身で参考書を用意して、キャリアコンサルティングの知識・技能を体系的に理解するとよいでしょう。
面接試験対策としてはロールプレイの練習が必須ですが、練習相手を探すのに苦労するかもしれません。養成講習団体などが行っている面接対策講座を受講して、ロールプレイの練習機会を確保するとよいでしょう。
▼関連ページ
キャリアコンサルタントは独学で取得できる?受験資格や勉強法を解説
実力診断や試験対策講座の活用も
キャリアコンサルタント試験の本番を迎える前に、民間の実力診断を受けてみるのもよいでしょう。CCA実力診断プログラム(ベーシック)は、キャリアコンサルタント試験の約2ヶ月前に、国家試験と同じ学科試験・実技試験(論述・面接)各科目の試験を本番に向けての力試しとして受験できます。試験結果で課題や実力レベルがわかり、受験日までの効果的な学習につなげられます。
キャリアコンサルタント試験の出題形式に準拠した「模擬試験」
CCA実力診断プログラム(ベーシック)
また、民間の試験対策講座を活用するのもよいでしょう。学科試験対策講座では試験の出題傾向や過去問題も踏まえた学習ポイントを押さえることができます。実技試験対策講座では論述試験の過去問題を題材に、個人やグループで検討した上で講師の解説を聞くことができます。面接については、実際の試験と同じ時間配分でロールプレイを実施し、口頭試問のポイントも学ぶことができます。
学科試験・実技試験の直前対策に
試験対策講座
合格者が語る受験直前の勉強法
キャリアコンサルタント養成講習「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」の受講修了後、国家試験に一度で合格された方々に試験直前の勉強方法を伺いました。ここでは、キャリアコンサルタント試験の平均点、合格率と合わせて、その一部をご紹介します。
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム
学科
学科試験は合格基準70点のところ、直近7回分の平均点は68点から77点で推移しています。
試験団体のサイトに直近3回分の過去問題が公開されていますので、ためしに解いてみることもできます。
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」
合格者の方々に伺った学科試験の勉強方法をご紹介します。
- 試験範囲がとても広いため、いかにポイントを押さえるかを意識
- 書店で実際に見ながら、自分に合った参考書を一冊見つける
- 試験向けサイトやアプリを活用する
- 過去問題を9割以上正答できるようになるまで繰り返し解く
- 「2級キャリアコンサルティング技能検定」の過去問題*1にもチャレンジする
- カタカナの名前の理論家が頻出するため、ネットで顔を閲覧して記憶に残す
- 時事問題の対策に、最新の『キャリアコンサルタント関連情報集*2』を見ておく
- 自分の苦手分野を中心に解く
- 試験対策講座に参加する ほか
*1 国家検定キャリアコンサルティング技能検定「2級過去問題」
*2 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会『キャリアコンサルティング関連情報集 2022年度版』、2022年
学科の得意分野と不得意分野は、個人によって異なります。すべての分野をまんべんなくカバーするよりも、合格ラインの7割を基準にメリハリをつけて勉強される方も多いようです。
広大な範囲の学科試験。出題傾向や「過去問題」も踏まえた学習ポイントを、GCDF認定トレーナーが解説。
キャリアコンサルタント試験対応 学科対策講座
実技(面接)
実技(面接)は100点満点のところ、平均点60点から61点で推移しています。
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」
合格者の方々に聞くと、面接に向けては以下の方法で勉強されていました。
- あえて顔なじみのない方とロールプレイングする
- ロールプレイングの際は、口頭試問まで行う
- 試験対策講座に参加する
- オンライン面接練習会に参加する*
- 録音した自分のロールプレイングを何度も聞き直したり、逐語を作成したりして、課題を明確化する
- 先輩資格者からフィードバックをもらう機会をつくる ほか
*キャリアカウンセリング協会(CCA)では、GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム受講修了者向けに、面接(実技)試験実施の直前に、別の曜日や受講方式で受講している方とロールプレイングを行う「オンライン面接練習会」を開催しています。
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム
面接は、同じクラスで学んでいる受講生同士でロールプレイングをされるケースが多いようです。ただし、何度も練習しているうちに、同じ顔ぶれに慣れてしまって学習効果が薄まったり、我流になってしまったりする場合もあります。受講生同士でロールプレイングを行う場合は有資格者を招くなど、工夫されている場合が多いようです。また本番試験でロールプレイング終了後に、すぐに頭を切り替えて口頭試問に答えられるようになるためには、複数回の練習が必須と考える方が多いようです。
実技(論述)
実技(論述)は50点満点のところ、平均点30点から33点台で推移しています。
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」
以下は合格者の方々に伺った勉強法です。
- 過去問題を使って解く
- 試験対策講座に参加して、設問の意図を学ぶ
- 事例をピックアップし、どのような支援ができるかを複数人で検討してみる ほか
論述は、試験実施機関による模範解答が公開されておらず、正解はわかりません。ネット上にはいろいろな解答例が掲載されているようですが、あくまでも参考にする程度がよいでしょう。信頼のおける団体の試験対策講座で、ポイントを習ったうえで過去問題に取り組むという方が多いようです。
合格者の方々は、ご自身の得意なやり方や生活スタイルに合った勉強法を早めに見つけて着手しているようでした。また、勉強を進めながら、ご自身の苦手分野やロールプレイングの課題を見出し、その課題を意識しながら取り組んでいました。
こちらでご紹介した勉強法はほんの一部です。ご自身に合った勉強法を見つけて、ぜひ取り組んでみてください。
▼関連ページ
キャリアコンサルタントは独学で取得できる?受験資格や勉強法を解説
キャリアコンサルタントの関連資格、GCDF、キャリアコンサルティング技能検定の難易度と合格率
ここからはキャリアコンサルタントの関連資格として「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」と「キャリアコンサルティング技能検定」について紹介します。
キャリアコンサルタント資格はキャリアコンサルタントの入口レベルで、キャリアコンサルティング協議会のサイトによると「典型的な場面で、安心してキャリアコンサルティングを実施できるレベル」とされています。ここからさらに関連資格を取得する目的や、それぞれの資格の概要と難易度、合格率について解説します。
出典:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 5分でわかるキャリアコンサルティングの資格試験「キャリアコンサルタントに関連する試験と資格」
キャリアコンサルタントの質の向上が求められている理由
人生 100 年時代の到来、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速化、コロナ禍等、現代は変化が激しく先行きが不透明で、将来予測が困難な時代です。働き方が変わり、働く期間が長期化し、将来への不安が増大している中で、相談内容も高度化、複雑化してきています。
キャリアコンサルタント試験に合格したことを土台としたうえで、現場で十分に活躍できる力量を身に付けていくために、試験合格後も継続的に最新知識の習得や技能向上のための学習が必要です。その一つの手段として、GCDF-Japanキャリアカウンセラーとして継続して学習することで自己研鑽を積んだり、キャリアコンサルティング技能検定を受検し、熟練レベル・指導レベルを目指すという目標を持つことはお勧めです。
出典:厚生労働省「令和2年度 厚生労働省委託 キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業 報告書」、内閣府規制改革推進室「キャリアコンサルタントの育成、キャリアコンサルティング普及の立場から 2022年3月3日」
GCDF-Japanキャリアカウンセラー
ここではGCDF-Japanキャリアカウンセラー資格について紹介します。GCDFはGlobal Career Development Facilitatorの略称で、2022年11月現在、世界15地域で採用されているグローバル資格です。
2001年にGCDF-Japan資格制度が誕生してから、特に人材サービスや人事部門、教育機関、需給調整機関等に携わる人材のプロフェッショナルの方々の取得比率が高いことが特徴です。「人」を扱う人や企業に採用される、信頼と歴史のある資格です。
キャリアコンサルタント資格は、養成講習を受講修了してキャリアコンサルタント試験に合格すれば、キャリア支援の実務経験が無くても取得できます。一方、GCDF-Japanキャリアカウンセラーは、キャリア支援の実務経験の内容と期間について自己申告書類を提出して認定を受ける「実務家」を証明する資格です。
出典:キャリアカウンセリング協会「GCDF資格のメリット」
資格認定審査に申請するための3つの条件は以下の通りです。
GCDF-Japanキャリアカウンセラー資格認定審査 申請のための3つの条件
- GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニング プログラム修了
- 下記の試験*のいずれかに合格(学科・実技ともに)
・CCA実力診断プログラム(ベーシック)
・キャリアコンサルタント試験(国家資格)
・キャリアコンサルティング技能検定(国家資格)
*各試験の合格科目を組み合わせての申請も可能 - キャリア実務における必要経験年数の到達
出典:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協会「資格・会員制度」
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムを修了し、かつCCA実力診断プログラム(ベーシック)で学科試験・実技試験(論述・面接)ともに合格すると、GCDF-Japanキャリアカウンセラー資格の認定申請手続きを行えます。
CCA実力診断プログラム(ベーシック)の過去5回分の合格率(合格者数)の推移は以下の通りです。キャリアコンサルタント試験と比較すると合格率が低くなっています。
出典:CCA実力判定プログラム(ベーシック)過去の結果データ
CCA実力診断プログラムは国家試験の約2カ月前に実施しています。養成講習修了からあまり間がないこと、また十分な試験対策をする前の実力を診断するために受験されている方も多いことから、合格率が低くなっていると思われます。この診断結果で自己課題を明確化して、本番の国家試験に備える方が多いようです。
出典:キャリアコンサルタント模擬試験 CCA実力診断プログラム(ベーシック)
1級・2級キャリアコンサルティング技能検定
キャリアコンサルタントの上位資格として、「キャリアコンサルティング技能士」があります。キャリア支援現場で実務経験を数年以上積んだら、「キャリアコンサルティング技能検定」を受検できます。試験に合格して「キャリアコンサルティング技能士」になることで、熟練レベル・指導レベルに到達することができます。
キャリアコンサルティング技能検定について、厚生労働省のサイトでは以下のように説明されています。
キャリアコンサルタント、2級キャリアコンサルティング技能士、1級キャリアコンサルティング技能士のレベル感と成長過程については、キャリアコンサルティング協議会のサイトで以下のように説明されています。
出典:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会「5分でわかるキャリアコンサルティングの資格試験」
1級・2級それぞれに求められるレベルは、以下の通りです。
キャリアコンサルティング技能検定1級、2級の合格率は以下の通りです。1級も2級も特に実技試験の合格率が低く、1級は10%未満、2級も20%未満と、キャリアコンサルタント試験と比較して難易度の高い資格です。
1級キャリアコンサルティング技能検定
実施回 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第12回 (2022年後期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第11回 (2021年後期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第10回 (2020年後期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
2級キャリアコンサルティング技能検定
実施回 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第32回 (2024年前期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第31回 (2023年後期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第30回 (2023年前期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第29回 (2022年後期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第28回 (2022年前期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第27回 (2021年後期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
第26回 (2021年前期) |
学科 実技 |
学科 実技 |
学科 実技 |
筆者自身も2級キャリアコンサルティング技能士、1級キャリアコンサルティング技能士と段階を踏んで取得を目指してきました。具体的な目標があることでいつまでに何を習得すべきかが明確になり、より効果的に、真剣に学ぶことができました。試験なので当然合格することを目標にしていましたが、学びのプロセス自体に意味があり、学べば学ぶほどキャリアコンサルティングの奥深さに惹かれていく感覚がありました。
キャリアコンサルタント資格を取得した後も、支援を必要とする人や組織の力になれるよう、学び続ける人が増えることを期待しています。
キャリアコンサルタント資格の難易度まとめ
最後にキャリアコンサルタント資格の難易度についてまとめました。
- キャリアコンサルタント資格の合格率は50%程度で推移しており、他の国家資格と比較しても難易度はそれほど高くはない
- キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験があり、実技試験は論述と面接(ロールプレイ)がある
- 学科試験の合格基準は100点満点で70点以上の得点であること、実技試験の合格基準は150点満点で90点以上の得点であること
- キャリアコンサルタント資格を取得するまでの勉強時間は、キャリアコンサルタント養成講習のカリキュラムとして150時間以上、さらに合格に必要な学習時間は100時間程度
- キャリアコンサルタントの関連資格としてGCDF、キャリアコンサルティング技能検定があり、キャリアコンサルタントよりも合格率は低い
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2024年度キャリアコンサルタント試験日程
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キャリアコンサルタントの将来性と注目される理由、今後の需要を解説