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世界のGCDF共通「12のコンピテンシー*」
GCDF(Global Career Development Facilitator)では、資格者に必要な能力要件を世界共通の「12のコンピテンシー」として表しています。
「12のコンピテンシー」は、1990年代中盤、キャリア支援者養成の先進国であるアメリカで作成されたもので、CDF(現GCDF)のトレーニングカリキュラムは、このコンピテンシーを基礎に開発されました。
*コンピテンシー…直訳すると、職務を遂行するために必要な能力、力量のことを指す。
GCDF-Japanのコンピテンシーは、世界共通の12項目に「ストレスマネジメントとメンタルヘルス」「ファイナンシャルプランニング」の2項目が加えられ、合わせて14のコンピテンシーとしています。
2項目が加えられたのは、日本版GCDFの開発時、日本でのキャリア支援にはこの2項目が必要不可欠な能力要件であるとしたためです。
GCDF資格者には、コンピテンシーの理論的な背景や必要性を理解、習得した上で行動することが求められています。
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムでは、コンピテンシーを実践し、活用するためのスキルを習得します。
GCDF-Japanとして必要最低限のコンピテンシー
1.ヘルピング*(カウンセリング)
Helping skills
カウンセラーとしての基本的態度を有し、カウンセリングの6ステップ・プロセスとスキルおよびその理論的背景を知っている。
*アメリカにおける「カウンセリング」は、大学院修了後、数年の実務経験とスーパービジョンやコンサルテーションを定期的に受けたキャリアカウンセラーが行う行為とされています。GCDFは、アメリカでは「カウンセリング」を行えないため「ヘルピング」としていますが、日本ではそのような背景はないため「カウンセリング」と表記しています。
2.労働市場情報・キャリア情報(LMI)とその情報源
Labor Maket Information and Resources
労働市場や職業情報とその傾向を理解している。最新の情報源を活用する。
3.キャリア・アセスメント
Assessment
クライアントにとって適切なアセスメント、アセスメントトレーニングを理解、利用できる。フォーマル・アセスメントは発行元ガイドラインに従い実施利用する。
4.多様な人々(特別なニーズをもつ人々)との協働
Diverse Populations
さまざまなニーズをもつグループや集団の特別なニーズを理解し、サービスを提供する。
5.法律とGCDFとしての倫理
Ethical and Legal Issues
GCDF倫理基準を理解し、それに従うことができる。また現行の労働関連法規を理解している。
6.キャリア・ディベロプメントに関する理論・モデル
Career Development Models
キャリアに関する各理論・モデルを理解している。
7.エンプロイアビリティ・スキル(EMP)
Employability Skills
就職・転職活動手法やクライアントが雇用されるための能力開発を援助する。
8.クライアントおよび同僚のトレーニング
Training Clients and Peers
クライアントがキャリアゴールを達成するためのトレーニングプログラムを開発する。そのプログラムを活用して、同僚のGCDFやクライアントのトレーニングを実施する。
9.キャリア・ディベロプメント・プログラム(CDP)のマネジメント
Program Management/Implementation
さまざまな組織(各サービス機関)や専門家と協力しながら、クライアントのキャリアコンサルタント・ディベロプメントを促進するプログラムを開発・運営することができる。
10.プロモーションと広報活動
Promotion and Public Relations
キャリアに関する研究会・事例研究会の計画、実践など、キャリア・ディベロプメント・プログラムのマーケティングとプロモーションを行う。
11.テクノロジー
Technology
最新のテクノロジーであるコンピュータ(PC)やインターネットを活用する。
12.コンサルテーションを受ける
Consultation
定期的に専門家(カウンセラー、研究者、スーパーバイザー、コンサルタントなど)と相談する。
13.ストレスマネジメントとメンタルヘルス *日本独自
ストレスとこころの病気に対する理解を深め、クライアント支援に役立てる。
14.ファイナンシャルプランニング *日本独自
クライアント支援の幅を広げる「お金」の知識を身につける。
GCDFの個人のキャリア・ディメロプメント促進に寄与する活動は、1対1の面談だけにとどまりません。カウンセリング技術だけでなく、コンピテンシーに定められているようなきわめて幅広い知識やスキル、経験が求められるのです。
出典:『GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム テキストブック1』株式会社リクルートマネジメントソリューションズ、2024年、p.22-23
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