GCDF-Japanに対する期待―渡辺三枝子筑波大学名誉教授

現在、日本ではキャリアカウンセラーへの期待が高まっているが、言葉（用語）の混乱、需要と供給のアンバランスなどに加えて、特にその資質が大きな課題となっている。改めて、「カウンセラーとは何をする人なのか」「カウンセラー教育には何が必要か」といった認識や目標の共有が必要な状況である。

このような中で、「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」は、キャリアカウンセラー教育の日本初の体系的なプログラムとして、ますますその存在意義を増していると言えよう。このプログラムは、米国の認定資格「GCDF」のカリキュラムがベースとなっている。米国だから良いというわけではないが、カウンセラーの教育・訓練において、少なくとも60年あまりの歴史をもつAmerican Counseling Association（ACA）とNational Career Development Association（NCDA）によるカウンセリングのインフラ作りの過程において生まれたプログラムの一つなので、信頼性の高い内容だと言える。

いずれにせよ、個人、組織、社会の様々なニーズに応えられる、より高度な専門家としてのキャリアカウンセラーが不可欠となっている現在、GCDF-Japanのプログラムがこの期待への回答の一つと言えよう。

2004年9月